研究課題/領域番号 |
18K02533
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
江川 克弘 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (70633296)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 視写 / 作文力 / 文章読解力 |
研究実績の概要 |
昨年度「視写による作文学習」の実践研究に協力いただいていた小学校(実験群)において,当該小学校の都合により年度途中で「視写による作文学習」の実践が全学年で実施できないという事態が生じたため,研究に必要な実験群のデータを得ることができなかった。しかし,今年度,新たに本研究に協力いただける先生が様々な都道府県で5名確保でき,1年間,本研究の実験群として協力いただけることになった。実施いただける各先生方の担当学年は小学校1・2・6年生(各1名)5年生(2名)である。そのため,今年度は本研究に必要な実験群のデータを収集することが主な研究内容である。 計画通り,小学校2・5・6年生においては今年度の4月に,小学校1年生においては今年度の9月に事前調査を全て(作文力調査・文章読解力調査・作文に対する意識調査)実施いただくことができ,事前の「文章読解力調査」「作文に対する意識調査」について採点や集計を行った。なお,作文力調査については,子どもの書いた作文を教師経験者がルーブリックに基づいて評価するため,事前・後のデータが揃ってから実施することになっている。 事前調査終了後,今年度3月までの1年間(小学校1年生は7カ月間)「視写による作文学習」を実践いただくことになったが,今年度3月の新型コロナウイルスの影響による休校措置により,「視写による作文学習」の実践は今年度の2月までとなった。今年度2月までの「視写による作文学習」の実施率は,それまでの小学校の授業実施日の90%以上である。 これは,本研究を行ううえで十分な実施率であるため,事後調査を全て実施したいが,前述した休校措置のため不可能になった。しかし,各学校においては,学年末や新年度当初に登校日を設けているため,そのときに実施可能な事後調査を実施いただくことになり,2020年3月31日現在,その事後調査を待っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由は2つある。 先ず,昨年度,本研究に協力いただいていた実験群の小学校全学年で,当該小学校の都合により本研究に必要なデータを得ることができなかったことが1つ目の理由である。 次に,今年度当初は,協力いただいた先生方のご尽力により実験群の事前調査を全て実施して本研究に必要な実験群の事前データを得ることができ,「視写による作文学習」の実践も順調に実施していただいていたが,今年度3月の新型コロナウイルスの影響による休校措置により,本研究に必要な実験群の事後データを得ることができなくなったことが2つ目の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年3月31日現在,本研究に必要不可欠な実験群の事後調査のデータが得られていない状況である。しかし,実験群に協力いただいた先生方の各学校においては,学年末や新年度当初に登校日を設けているため,そのときに実施可能な事後調査を実施いただくことになっている。この事後調査で得られるデータは微々たるものであることは十分予想されるが,今後は,そのデータを基に実験群と統制群において比較できるものの変容を比較し,「視写による作文学習」の有効性について検討していく。 また,2020年度,本研究の実験群として協力いただける先生が1名(小学校4年生担任)だけ確保できたので,事前調査→「視写による作文学習」の実施(1年間)→事後調査という流れで実施いただくこととなった。もし,1年後本研究に必要なデータが全て得られれば,研究期間を1年間延長させていただき,そのデータを基に実験群と統制群の小学校4年生の「作文力」「文章読解力」「作文に対する意識」の変容について比較し,「視写による作文学習」の有効性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度本研究に協力いただいていた小学校(実験群)において,当該小学校の都合により本研究に必要なデータを得ることができないという事態が生じた。本研究は学校現場において1年間というロングスパンで実施するため,1年間の遅れが生じたことになる。そのため,今年度,新たに協力いただける先生方を見つけ,必要なデータの収集を行った。本来なら,今年度,実験群と統制群の全てのデータが揃い,そのデータの整理や処理などに使用する予定であった費用を今年度執行することができなかったため,次年度使用額が生じた。 今年度の新型コロナウイルスの影響により,本研究に必要な全てのデータが揃うわけではないが,一部の限定的なデータは得られる予定であるため,そのデータの整理や処理,分析ならびに,分析から明らかになったことを論文や学会発表で公表するために次年度使用額を使用する計画である。
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