戦後小学校国語教科書に採録された説明的文章教材の採録史を総括的に記述し、教育内容の変容過程を明らかにすることを目指した。昭和46年度以降の題材については、理科的素材である「動植物」特に「昆虫」が最も多く、次いで児童の「くらし」の中で触れる社会文化的事象が採録される。学年ごとの題材傾向は、学習者の社会的関心の広がりに対応している。本文叙述と教育内容の変化については、構成や表現の曖昧さを除き、問題解決型文章の典型例となるような改稿がなされた。それにより、段落要約、文章の解釈、構成把握、考えの交流など、各時期の教育内容に適合する学習活動が設定されるようになり、様々な学習活動に対応できるようになった。
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