今年度はサッカー教材を用いた体育授業の分析を通して本研究を行った。本研究で用いたサッカー教材は、これまで行ってきたハンドボール教材、バスケットボール教材を用いた研究と同様のゲーム教材を用いた。学習成果につながる言語活動が行われるように先行実践と同様に①ゲームデータ、②スーパープレー集、③シュート位置のシートの3つを資料として準備した。一般的に用いられるサッカーボールでは、ゲームに必要なボール操作技能が難しくなるため、ソフトスライドサッカーという教具を適用して行った。 その結果、上中位児に関しては、単元を通して高い適切率を維持することができた。下位児においては、単元を通して大きく数値を上げることができた。リーグ戦Ⅰでは、映像資料として見せたスーパープレー集に見られるような攻撃があったが、その数は多くなかった。しかし、4時間目のリフレクション(言語活動)でスーパープレー集、データ分析を通して、理想的な攻撃のイメージを共有し、チーム全体で話し合いながら攻撃に対する共通理解を図った。その成果として、リーグ戦Ⅱでは、技能上・中位児と技能下位児のGPスコアの差は小さくなり、サポートの指標は最も大きな上昇が見られた。 これらのことから、足でボールを操作するという技能的困難さをソフトスライドサッカーによって緩和し、学習資料(映像資料、ゲームデータ資料)を基にした話し合い活動を行った結果、各グループの攻撃再現性を高めゲームパフォーマンスを向上させることがきた。
以上から、研究期間全体を通してゴール型ゲームにおけるハンドボール、バスケトボール、サッカーを基にして開発されたゲーム教材及び①ゲームデータ、②スーパープレー集、③シュート位置のシートの3つを資料を用いた言語活動を適用することにより、体育授業における学習成果につながる言語活動のあり方を明らかにすることが出来た。
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