本研究は,アクションリサーチの手法を用いて「エビデンスと実践知の統合に基づく学級活動の実践改善プログラム」を開発することを目的としている。具体的には構想した「エビデンスと実践知の統合に基づく学級活動の実践改善プログラム」を研究者,熟達教師(学級活動の実践 経験が多い教師),若手教師(学級活動の実践経験が少ない教師)の三者協働で実施し,その効果検証を行っていく。 最終年度となる2022年度では,これまでの研究成果の報告を行った。 日本特別活動学会研究推進委員会第9回特活カフェにおいて「特別活動に関する量的研究の困難とこれから」という題目で成果報告を行った。具体的には,特別活動研究において量的研究をすすめる際,研究成果のオーディエンスとして学界と学校現場の2つがあることを指摘した。とりわけ特別活動研究において重要となる学校現場において量的研究を提供する際,エビデンスの提供が学校教員の省察(Reflection)を促すことや,エビデンスの階層において,階層が低いとされるエビデンスが,「独断論の眠りをさます」可能性があることを報告した。その上で,研究者や学校現場の教員と共に量的研究やエビデンスについて議論を深めた。
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