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2018 年度 実施状況報告書

イギリスのOracy教育は子どもの「話すためのスキル」をどのように育てるか

研究課題

研究課題/領域番号 18K02541
研究機関大分大学

研究代表者

矢野 英子  大分大学, 経済学部, 准教授 (00511669)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードOracy / 話すこと・聞くこと / イギリスの教育 / Literacy / ディベート
研究実績の概要

2018年度は、9月と3月に2度渡英し、主にケンブリッジとロンドンにて、イギリスでのOracy教育に関わる情報収集を行った。まず、1. ケンブリッジ大学にてOracy教育の中心的研究者と面会。”Oracy Cambridge”の 定例会議に同席を許され、会議に参加するとともに、参加した研究者等からも聞き取りができた。2. Oracyに関する英語文献の翻訳を進めており、著書である教育コンサルタントと面会、Oracy教育に関わる情報の聞き取りとともに、打ち合わせを行った。また、その流れから、3. ロンドンで開かれたいくつかのOracyに関わる団体代表が参加する”Oracy Network Meeting”に同席し、情報を得ることができた。4. イギリスの教育制度についての著作がある在英邦人ジャーナリストと面会、これまでのイギリスの教育制度について聞き取りができた。2. ケンブリッジ大学図書館、および同大学教育学部図書館にてイギリスの言語(Oracyを中心とする)教育に関する文献・資料収集を行った。また、大英図書館、大手の書店においても、イギリスの教育制度に関する文献検索、情報収集を行った。 3. Oracy教育を進める小学校と、特にOracy教育を行っていない小学校をそれぞれ見学訪問する機会があり、スタッフからも話を聞き取った。
以上の現地での情報収集、ネットワーキングづくりに加え、本務校においては、関連する文献・資料の収集とともに、日本での「話すこと・聞くこと」の教育に関わる情報収集を行った。また、中学校のディベートクラブの活動を見学し、指導教員や、部員から話を聞いた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イギリスのOracy教育に関して、中心となる関係者とのアクセスができるようになり、ネットワークも広がりつつある。現地でなければ得られない情報が対面で得られたことが大きな収穫である。Oracy教育に関する情報収集に関しては、現状でできることを最大限に実現できていると考える。
Oracyを育てる授業の中心となる実践校・研究校であり一番大きな成果が期待される“School21”は、一般に公開されている日時がきわめて限られており、2018年度は2回の訪英時いずれも訪問がかなわなかったのが非常に残念であった。なんとか他の2校を訪問することができ、生徒たちのやりとりの様子などの観察ができた。しかし、イギリスの学校訪問のハードルは大変高く、たとえ訪問が許されても、半日。プライバシーの問題から生徒のやりとりの記録を取ることが難しい。生徒たちのOracyの状況について、データ、記録を示すため、何らかの対応を工夫しなければならないと考えている。
また、日本の「話すこと・聞くこと」の実践例については、ディベートの実践校での観察と団体へのアクセス以外、対照研究になりそうな事例にはまだたどり着けていない。
以上、2018年は主に情報収集、ネットワークづくりに終わり、研究のまとめと発信には手がつけられていない。

今後の研究の推進方策

2年目である今年度は、さらに、現地でのOracyに関する動きを見極めていきたい。7月にケンブリッジで“Oracy Cambridge Conference”が開催され、参加する予定である。学期中のため無理のある日程ではあるが、会議での収穫に期待している。ここで得られる情報も加え、イギリスでのOracy教育の動向について、報告を作成し始めたいと考える。
その報告を補強する意味でも、当初の計画には含まれなかったが、イギリスのOracy教育の現在を明確に説明できる書籍の翻訳を新たに研究に取り込もうとしている。7月の訪英の際に、翻訳の初稿をもとに著者との話し合いを持ち、疑問点を明らかにしながら、打ち合わせを行いたい。
Oracy教育の中心である“School21”の活動の観察把握は大変重要であるので、少し無理な日程であっても、訪問を実現させたいと考える。また、学校のホームページや、SNSなど、学校の様子がわかるものも活用し、生徒たちの教育にOracyがどのように生きているのかを確認することの一助としたい。
対照させて、日本での「話すこと・聞くこと」の教育に関し、積極的に情報を収集していきたい。

次年度使用額が生じた理由

2018年度は、計画していた人件費、謝金を使用する機会がなかった。
2019年度のデータ入力・分析の際の人件費、またプルーフリーディングへの謝金へ合算すると同時に、一部イギリスでの調査費用、国内での「話すこと・聞くこと」が実践されている教育現場への見学・情報収集を目的とする訪問のための旅費に流用したいと考える。

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公開日: 2019-12-27  

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