研究課題/領域番号 |
18K02541
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
矢野 英子 大分大学, 経済学部, 准教授 (00511669)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Oracy / 話すこと・聞くこと / イギリスの教育 / 日本の教育 |
研究実績の概要 |
今年度当初は、主にOracyが直面していた問題について、1970年-1990年代の文献調査を行った。 実地調査としては、7月3日、イギリス・ケンブリッジ で行われた“Oracy Cambridge Conference” (於Hughes Hall, Cambridge)に参加した。Oracy教育の学術的な基盤を担っているCambridge University ”Oracy Cambridge”のDirectorであるNeil Mercer名誉教授をはじめとし、Lyn Dawes氏、Alan Howe氏、Ayesha Ahmed氏らOracy教育に関する中心的存在の研究者たちの貴重な講演を聞き、これまでの研究の方向性を確認していく作業ができた。また、初等教育、中等教育の現場のOracy担当教員、さらに関連する団体の関係者らと話ができ、ネットワークを広げることができた。さらに、日本からの参加者である神戸大学発達科学部の川地亜弥子准教授と話すことができ、情報交換と今後共同で調査を行える可能性について相談ができた。その他、Duncan Partridges氏(当時Voice21)、在英ジャーナリストの阿部菜穂子氏に聞き取り調査、Will Millard氏(LKMco:教育アドバイザリー団体)に聞き取り調査と“Oracy: The State of Speaking in Our Schools”の翻訳についての打ち合わせを行った。 9月25日、日本教育方法学会第55回大会日本教育方法学会(名古屋市:東海学園大学)において「イギリスにおけるOracy (オラシー)教育の現状から」というタイトルでこれまでのOracyに関わる研究の一部を口頭発表した。日本の研究者たちにOracyの概念を紹介するという目的を果たし、何人かの方達からアドバイスを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年が明けて始まったCOVID-19により、海外はもとより、国内の研究者とのうち合わせもできなくなった。 さらに、3月26日に予定されていた “The Great Oracy Exhibition”は、School21(ロンドン:Oracy教育の中心である実践校)の年に1度の学校公開日で、Oracy教育の実践を広い角度から初めて見ることができる好機であったが、COVID-19のために渡航が難しく、断念せざるを得ず、研究の進度に大きな影響が出てしまった。イギリスの閉鎖が解除され、再度“The Great Oracy Exhibition”が開催される折には、必ず参加し、主に生徒たちの話す様子、態度、また教員の働きかけ方の違いをはじめとする実際の現場を見て取材をして来たい。この、重要な現場を実際に見学するという大きなマイルストーンをまだ達成できていないため、研究が先に進められない。この学校公開は年に1度しか行われないため、本研究は、もう1年の延長が必要になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
初等教育をはじめとする教育者にOracyを紹介するのに具体的でわかりやすいものであると考えている"Oracy: The State of Speaking in Our Schools”、また、それをさらに発展させ、理論的側面を加えた“The Development of Oracy skills in School-aged Learners”(Neil Mercer, Lyn Dawe共著を日本語に訳して出版する意義が大きいと考え、著者の許可を得て翻訳を進めており、これらを完成させたい。 また、Oracy教育が日本の「話すこと・聞くこと」の教育にもたらすことができる効果について言及する著作を執筆したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による渡航規制のため、3月に予定していたイギリス・ロンドンでの学校見学(Shcool21)が実現できず、それに伴って発生する国内出張や、謝金が必要でなくなったため。 このため、科研費による研究期間の延長を申請する予定であり、次年度、その翌年もかけて、研究の中心となるSchool21の学校見学と翻訳、執筆と出版を行いたい。
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