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2020 年度 実施状況報告書

イギリスのOracy教育は子どもの「話すためのスキル」をどのように育てるか

研究課題

研究課題/領域番号 18K02541
研究機関大分大学

研究代表者

矢野 英子  大分大学, 経済学部, 准教授 (00511669)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードOracy / 話すこと・聞くこと / イギリスの言語教育 / 組織の連携
研究実績の概要

2020年度は、本来この研究の最終年度であり、1. 現地イギリスのOracy教育実践学校であるSchool21を訪問し、実際の生徒の様子、授業の様子、教師や学校責任者へのインタビュー、活動母体であるVoice 21の構成メンバーへのインタビューを実施したかったが、COVID-19の流行で渡航がかなわず、研究が滞ったため今年度に延長申請をした。
昨年度10月になり、研究対象校であるSchool21によって、主にイギリス国内の学校と教員へ向けてのオンラインワークショップが開かれ、時差はあったがオンラインで2週間にわたり参加することができた。Oracy教育に関する研究者や、School21での教育実践の様子など、イギリス内でのOracy教育の最新の動きを捉えることができた。
イギリスにおけるOracy教育は、大きな成長を遂げている。この1年間、世界的パンデミックの大きな影響があり、ロックダウンに伴う学校の閉鎖や制限があるにもかかわらず、可能な形での進展を見せている。そこには、School21とVoice21の若い構成メンバーの秀逸な企画力、行動力、指導力とともに、そこから広がる他の団体(Oracy Cambridge、Oracy APPG、LKMco、Oracy Networkなど)との連携も大きな推進力となっている。これは、この3年間に顕著になっており、大変興味深い点である。
4月よりSchool21によって開催されている海外の教育機関に向けてのオンラインコースに研究者として例外的に参加することが可能になっており、4、5、6月にかけて、実際の生徒たちの授業などで話す様子を録画で見る機会ができるようになった。School21, Voice21の活動を概観できるとともに、思いがけず、海外でのOracy教育の様子も垣間見ることができ、必要な資料が集まりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の拡大の影響で、1.イギリスに渡航できず、必要な情報を予定通り得られなかった。2.遠隔授業の準備、教科内での煩雑な連絡などの業務などに割かれる時間が大きかったため、科研の研究が遅れた。また、国内でも学校訪問などはできなかった。

今後の研究の推進方策

昨年度10月になり、研究対象校であるSchool21によるオンラインワークショップに参加することができ、さらに今年度に入って、海外の教育機関に向けてのオンラインコースに参加中で、実際の生徒たちの話す様子など必要な資料が集まりつつある。また、Oracy教育に関する研究団体であるOracy Cambridge(2019年度に参加)のオンライン会議が7月に予定されており、参加予定である。
当初の計画に入っていた「学校教育以前の家庭内でのOracy教育」については、昨年度から渡英ができず進められていない。家庭教育については、今現在の在宅期間に研究対象校School21で実施されており、その様子は現在参加中のコースの中で見ることができ始めている。そこで、この点に関してはむしろ、次の研究機会に回すべきであると考える。また、日本の教育への提案については、学校訪問がままならないため、具体的なものにはできない可能性がある。
最終年度(更新後)であるため、この3年間で集めえた情報をもとに、イギリスの学校教育の中でのOracy教育の実践と、広がり、それを支える連携組織の役割について検証することに方針を変更したい。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は、COVID-19の影響により、研究対象校のあるイギリス訪問、また学会への参加ができず、研究が進まなかったため、次年度使用が生じた。今年度は、1. COVID-19の状況が改善し次第、ロンドンでの研究対象校School21の子ども達の活動の様子を観察すること、2. Voice21と周辺組織(Oracy Cambridge、LKMcoなど)の主要人物への最終聞き取り、3. 国内の研究者との打ち合わせ、4. Voice21関連書籍の翻訳の出版を計画している。

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公開日: 2021-12-27  

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