研究課題/領域番号 |
18K02541
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
矢野 英子 大分大学, 経済学部, 准教授 (00511669)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Oracy教育 / Leadership |
研究実績の概要 |
2021年3月に始まった研究対象教育機関Voice21 (School21)の初めての試みである“International Oracy Leadership”の可能な部分に参加できた。4日間 (Unit1 :3月18日、Unit 2: 3月24日、Unit 4:5月18日、Unit 5 :6月1日) Zoomによる3時間の研究会に加え、準備されたインタラクティブサイト「Voice21 Exchange」からは実践の様子の動画や、関連資料など情報が確保できた。世界9か国から参加する指導者、学校・コース管理者たちと共に、Oracy教育の基礎理論、指導法の実際、教材についての調査や試行、討論を行う中で、様々な情報、知見が得られた。また、Voice21のメンバーの動きも大変興味深いものだった。 Oracy教育を広げるにあたり、(昨年度に引きつづき)印象深いのはSchool21とVoice21の若い構成メンバーの秀逸な企画力、行動力、指導力とOracy Cambridge、Oracy APPG、LKMco、Oracy Networkなどの団体との連携である。Voice21を中心とするイギリスでのOracy教育は、その教育を実践する学校が拡大しており、今回のInternational Oracy Leadershipで見られるように、国外に向けてもさらに大きな影響力を与えはじめている。 また、学校現場School21では、日本よりよりはるかに多くの感染者を出すパンデミックの中にあって、生徒たちが実際に対面で「話す機会」を奪われているにもかかわらず、生徒たちに対し、様々なOracyにかかわるオルタナティブな対応を続けている様子が見て取れた。 これらOracy教育の現在の動きについて、一昨年度に引き続き、日本教育学会年次大会、自由研究発表部門にて発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID拡大の影響で、1.イギリスに渡航できず、必要な情報を予定通り得られていない。2.国内でも学校訪問などはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度末、再び研究期間更新(最終)を申請した。COVIDの影響で依然として学外に出ることが難しく、昨年度より実施を望んでいたイギリスのOracy教育実践学校であるSchool21への訪問、授業内やそれ以外の時間の「話すこと」を中心とする生徒の活動の様子の観察や、教師や学校責任者、活動母体である団体Voice21の構成メンバーへのインタビューを実施できていない。「学校教育以前の家庭内でのOracy教育」については今回の研究からは除き、この3年間で集め得た情報をもとに、Voice21 (School21)がOracy教育の実践においてこれまでに果たした役割と実際をまとめ、また、Voice21作成のOracy教育の実践についてのレポートの翻訳とともに発表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度もCOVID拡大の影響で、1.イギリスに渡航できず、必要な情報を予定通り得られていない。2.国内でも学校訪問などはできなかったため、科研費を使用する機会が極めて少なかった。 2022年度は、最終年として、以下の2点に研究助成金を使用したい。1.「Voice21 (School21)がOracy教育の実践においてこれまでに果たした役割と実際」「Voice21が作成したOracy教育の実践に関わるレポートの翻訳」の2点についてのプルーフリーディングへの謝金、および出版の準備。2. 2021年度のようにオンラインであるかもしれないが、 状況に応じ、イギリス、Voice21 (School21)への訪問の機会があれば、是非とも参加したい。翻訳した内容の確認と新たに出てくる問題点や補足事項などの確認のため、また、現地イギリスのOracy教育実践を実際に見学する最後の機会として、イギリス訪問のための旅費に使用したいと考える。
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