研究課題/領域番号 |
18K02546
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研究機関 | 開智国際大学 |
研究代表者 |
坂井 俊樹 開智国際大学, 教育学部, 教授 (10186992)
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研究分担者 |
竹内 裕一 千葉大学, 教育学部, 教授 (00216855)
鈴木 隆弘 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (40433685)
荒井 正剛 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40795712)
小瑶 史朗 弘前大学, 教育学部, 教授 (50574331)
重松 克也 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (60344545)
小松 伸之 清和大学, 法学部, 准教授 (80609777)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コロナ・パンデミック / 教科観 / 社会的排除・包摂 / リスク社会 / 帰納的教育研究 |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍のために、予定していた研究会や講演会は十分に進めることができなかった。2回ほど、分担研究者によるオンライン研究会を開催して、予算使用方法と今年度の研究計画(修正も含めて)について話し合ったり、それまでの研究成果の報告会を実施した。「社会的排除」「社会的包摂」の社会科カリキュラムの探究の研究テーマを基本的には進めねるとともに、コロナパンデミックという事態をどう読み解き、研究テーマとして接合するか、理論的検討とともに実践的課題として議論した。とくに研究協力者である10人以上の小・中・高校の教員が、感染症対応としての新しい形での授業の模索を相互に情報交換できた研究会なども開催した。またメールによる討論と情報交換を進めた。以上を踏まえ、次のような内容で進めた。 ①コロナ禍の下で進行する社会的弱者に対する排除がどういう形で顕在しているのか、また私たちが取り組んできた理論や実践研究が、今日の社会的排除を乗り越える指針が見いだせないかの検討をする。各論で研究分担者が提案することにした。 ②①に示した実践的課題を、研究協力者は今年度後半で、教育実践として具現化していくこと、それを進めることになった。したがって、後半期は、状況の相互の確認と分担者、協力者の各自の作業が進められ、報告論文としてまとめられることになった。 そのため予算は、あまり支出されなかった。特に調査旅費は鉄が図の状態であり、また研究も科研も1年間延長していただいたので、継続させている。報告の原稿は、3月締め切りで、ほぼ全員から提出された。報告書は、可能ならば書籍としてまとめ、出版していきたいと考えている。そのための出版経費を、次年度に持ち越した予算内からあてたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で本年度前半は、オンライン議論、メールでの議論により、研究以前の教育現場の課題を情報交換したり、課題解決方法を共有した。研究推進は途絶えてしまったが、9月以降から集中的議論を進め、研究分担者の役割の明確化、研究協力者の具体的テーマの設定、授業実践などを通じて、報告書作成を目指した研究が推進された。それにより、前半期の混乱から一定の軌道修正ができた。そして各自報告書原稿を提出し、現在それらの編集作業を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度末までに分担者の調査研究活動を踏まえた研究、および研究協力者の研究的実践が終了し、報告されている。今後提出された原稿をもとに、オンラインによる研究会を実施予定で、それを踏まえて報告内容を修正したり、加筆したりして、報告書として完成していく予定である。内容は次のとおりである。「教育改革とコロナ・パンデミックに翻弄される私たち(仮)―「排除」と「包摂」から構築する社会科教育実践―」〇第一部 教育改革の流れと私たちの「立ち位置」第一章 Society5.0と教育改革―学習方法へのアプローチ〇第二章 コロナ・パンデミックと社会科教育―求められる内容(教材)のあり方〇第三章 私たちの取り組み―「社会的排除」と「社会的包摂」から実践に迫る。第二部 教育実践を通じた私たちの提案〈小学校〉における実践・〈中学校〉における実践・〈高等学校における実践〉第三部では「社会的排除」と「社会的包摂」を深める視点を巡ってである。これらはさらに研究費の一部を活用して、書籍として刊行したいと考えている。 また研究成果は、日本社会科教育学会(福島大学大会)で報告する予定である。報告は5本程度になると考えられる。オンライン開催が決定されているので、予算執行は参加費等に限定されると考えられる。学会発表を踏まえて、成果に対する反応をを振り返り、研究に反映していきたいと考えている。年度末には、コロナの状況によるが、公開の研究会が行えればしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、調査研究や学会の『対面式』報告が不可能だったこと、また講演会(学習会)などの外部講師の招へいによる勉強会も開催できなかったことで、別の研究方法により推進した。また研究協力者の研究授業開発も、学校の通学制限のもとで実施されたため、もっぱら年度後半期に進めることになった。しかし各メンバーごとに着実に「社会的排除」と「社会的包摂」の視点から、理論的研究とともに実践を進めることができた。それを報告書としてのまとめるのは、さらに1年間必要であり、次年度に向けて提案すべき原稿を可能ならば対面式で練り上げていきたいと考えている。また小・中・高校の実践も、今年度は授業参観の機会も持てなかったので、次年度可能ならば実施したいと考えている。難しい場合は、映像記録に残し、メンバー間で共有したいと考えている。また1年間の研究延長が可能となったために、報告書は、可能ならば書籍としてまとめていきたいと考えている。その際には、繰り越した予算を活用させていただくことを考えている。併せて、複数テーマで分散して学会発表を行う計画である。主に日本社会科教育学会福島大学大会を考えている(研究発表関連の費用)。さらに可能になったら調査研究旅費を考えている。
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