研究課題/領域番号 |
18K02553
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
石川 美智子 常葉大学, 教育学部, 教授 (30733258)
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研究分担者 |
小田切 真 常葉大学, 教育学部, 教授 (30298450)
中村 孝一 常葉大学, 教育学部, 教授 (30329510)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学級経営 / 国際共同研究 / インド / 日本 / 小学校 / 主体性の育成 / 個と集団の育成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本とインドの小学校学級経営の分析を通じた,「インド版日本型学級経営モデルと尺度」の開発である。これまでの研究で明らかになった,日本型教育の個を生かした集団形成・自立学習ばかりでなく教師効力感を考慮して,共通するテーマを洗練させ作成する。本研究の結果,日本の規律ある生活や勤勉といった人格面の教育やインドの多文化共生教育が両国で活用できる。なお,本研究はインドへの貢献ばかりでなく「日本型教育の海外展開事業」の国際協力の基礎研究となる。 本年度は, 1)インドの私立小学校の教師27名,日本の小学校教師17名の聞き取り調査のデータ分析から,主体性を育てるインドの学級経営観,児童理解を中心にした日本の学級経営観の比較,2)日本の経験のある教師は若手教師の学級経営をどうみているか,3)インドの教育制度の研究,4)インドの共同研究者・日本人研究者とともに,学級経営の質問項目の検討,5)両国学級経営聞き取り調査結果の学会発表(International Conference on Solution Focused Practices 2018,常葉大学学内学会等)および論文の作成などを行った。また,6)日本において,インドのトニー・サム・ジョージ博士が常葉大学教職大学院で,現職教員学生・ストレートマスター10名を対象に,「インドの学校と教師」の講義を行い意見交換した。 その結果,インドは教科中心の指導,日本は個と集団を生かす指導を行っていることが明らかになった。また,インドでは学級経営について,質的にも量的にも調査されていないことが明らかになった。英語版学級経営の質問紙が完成した。国際学会・Christ Universityでは,海外の方は日本の集団活動に興味を持たれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
量的研究については,当初インド小学校教師250名を予定していた。海外の研究者から,APA(アメリカ心理学会)では300名以上必要であるとご指摘いただいた。500人数を目標とし,調査対象者ふやしたため,予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
日本語の論文は,日本人を対象としている。英語の論文は,主に海外の方を対象者としている。したがって,それぞれ読者が求めるものが異なるため,内容が異なってくることがインドChrist University Dr Santhosh氏・国際学術誌査読者・編集長を通して理解できた。また,国際学会・学内学会でも同様の視点をいただいた。当面は,日本語の論文を書き上げることを中心に取り組む予定である。今後の国際発信を考えると,英語の論文・国際学会発表等において日本語の論文とは視点を変えて行う必要があると考える。時間がかかると思われる。あとは,インドの教師からの質問紙調査収集である。インドの共同研究者と粘り強く取り組んでいきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者のご家族の体調がすぐれず,日本人が2名同行する予定であったが,1名となったため。今後,インド版日本型学級経営の実践等インドで行うが,研究分担者が行うため,予定している助成金が必要である。
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備考 |
ゲストティーチャーとして児童理解方法論の授業の中で、「インドの学校と教師」についてお話していただきました。特に,インドの教育の実態と学校心理学について,講義したいただきました。
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