研究課題/領域番号 |
18K02555
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
祐岡 武志 阪南大学, 経済学部, 教授 (00802539)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 世界史教育 / ESD / 環境 / 資源・エネルギー問題 / 世界遺産 / 現代の諸課題 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、研究計画調書の研究方法AにおけるESDのカリキュラムモデルの「現代の諸課題」に基づく単元の開発と改善の研究として、「環境」領域の単元「資源・エネルギー問題」の開発を行い、2018年6月に高等学校2校(奈良県立登美ケ丘高校、奈良県立法隆寺国際高校)において授業実践を行った。2019年2月には登美ケ丘高校において総合的な学習の時間課題研究発表会に参加し、ESDにかかる生徒発表についての講評を行った。 研究方法Bにおける「現代の諸課題」と関わる世界遺産を教材化し、その意義を実践から分析する研究の一環として、8月下旬から9月上旬にかけて、産業革命に関わるイギリスの世界遺産(マンチェスター、リバプール等)の踏査による資料収集を実施した。 学会参加については、2018年8月18日に奈良教育大学で開催された日本ESD学会に実行委員として参加し、発表者の発表準備の補助と参加者の誘導を行った。分科会ではESDを主題とした発表から知見を得るとともに、ESDの研究者・実践者と情報交換を行った。11月3日には、奈良教育大学で開催された日本社会科教育学会第68回全国研究大会に参加し、大会実行委員として大会運営に関わるとともに、ESDや世界史教育に関する資料収集を行った。2019年2月9日から10日に兵庫教育大学で開催された社会系教科教育学会第30回研究発表大会に参加し、研究方法Cにおける「現代の諸課題」を主題とした議論を行い、学習者の価値観の変容を実践から分析した成果を、自由研究発表「ESDの「環境」領域からの世界史教育内容開発― 単元「近代日本の産業発展」を事例として ―」において報告した。 また、これまでの研究成果を博士学位申請論文としてまとめ、2019年2月23日に学位申請論文公聴会を開催することで、関係する研究者や実践者に対して研究成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画調書の表2「研究方法に基づく年度別研究計画」における平成30年度では、研究方法Aにおいて「環境」領域の単元「①資源・エネルギー問題」の開発を行い、研究方法Bにおいては世界遺産踏査と実践分析に着手し、研究方法Cにおいて「経済」領域の単元「③南北問題」、「社会」領域の単元 「⑥平和と安全の問題」の実践分析を行うことを計画していた。 研究方法AとBの進捗については、上記平成30年度の研究実績の概要で示した。研究方法Cの「③南北問題」と「⑥平和と安全の問題」の実践分析については、学位申請論文にその実践分析を掲載することができた。 結果として、平成30年度はその研究計画を全て予定通り進めることができ、平成31年度(令和元年度)に予定していた単元「①資源・エネルギー問題」の実践についても、上記2校においてすでに実施済みであり、その実践分析についても「③南北問題」と「⑥平和と安全の問題」同様に、学位申請論文に掲載することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書の表2「研究方法に基づく年度別研究計画」における平成31年度(令和元年度)では、研究方法Aにおいて単元「①資源・エネルギー問題」の実践と単元「③南北問題」と「⑥平和と安全の問題」の改善を行い、研究方法Bにおいては世界遺産踏査と実践分析を進め、研究方法Cにおいて単元①③⑥の実践分析を行う計画であった。 すでに単元①③⑥は開発・実践済みであるため、今後はその改善に着手する。そして、可能であれば、改善した単元の実践と分析を行うことで、開発単元の完成度を高め、ESDのカリキュラムモデルの有効性を検証することを目指す。 また、研究計画調書の表1「ESDの視点を導入した世界史のカリキュラムモデル」に示した他の単元「②環境問題」、「④自由・民主化の問題」、「⑤人種・民族問題」の改善に向け、新たな世界遺産踏査と情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度末に成果報告の一部として発行した「世界史教育における内容編成論の研究」要約版印刷製本代捻出のため、導入予定であった複合プリンタを最少構成で購入せざるをえなくなった。したがって次年度使用分は、令和元年度当初に当該年度分の助成金と合わせ、複合プリンタの増設トレイ導入のために使用する計画である。
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