研究課題/領域番号 |
18K02555
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
祐岡 武志 阪南大学, 経済学部, 教授 (00802539)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 世界史教育 / ESD / 世界遺産 / 現代の諸課題 / 歴史総合 / 総合的な探究の時間 / カリキュラム開発 / SDGs |
研究実績の概要 |
2021年度(令和3年度)は、研究計画調書の表1「ESDの視点を導入した世界史のカリキュラムモデル」に示した①~⑥全ての単元の改善に向け、学校現場での調査や学会参加、新たな世界遺産踏査による情報収集を行う予定であったが、コロナ禍のため学会は全てオンラインでの実施となり、引き続き学校現場での調査や夏期の世界遺産踏査を含めた研究活動は見送らざるを得なくなった。しかし、これまでの研究成果をまとめるため、表2「研究方法に基づく年度別研究計画」の2020年度(令和2年度)に予定していたカリキュラムモデルの検証を可能な範囲で実施し、その成果を著書として公表した。 オンラインで開催された学会については、6月に国際理解教育学会、8月に日本学校教育学会、10月に全国社会科教育学会、11月に日本社会科教育学会、2月に社会系教科教育学会に参加(いずれもオンライン)した。 また、2021年5月と8月には、奈良県の県立高校の教員研修で、ESDとSDGsに関わる講演とワークショップを合計3回実践し、WWLコンソーシアム構築支援事業に関わる高等学校現場の探究的な学習とESDに関する教員の意識調査を実施した。 成果発表としては、2021年10月、日本学校教育学会国際交流委員会編『国際交流と学校教育 グローバル時代を共に生きるために』へ「ESD の観点を導入した高等学校歴史教育内容開発-歴史総合の単元「危機遺産と現代の諸課題」を事例として-」を公表し、同じく2021年10月に『阪南論集』人文・自然科学編 第57巻第1号に「ESDの3領域に基づいた総合的な探究の時間における探究課題の設定-「現代的な諸課題」とSDGsのESDとの関連性に着目して-」を執筆した。そして2022年2月には、これまでの研究成果をまとめた著書『世界史教育内容編成論研究-ESDの観点からの再構成-』を公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度までに、研究計画調書の表1「ESDの視点を導入した世界史のカリキュラムモデル」に示した①~⑥全ての単元の改善を行う予定であった。しかし、学校現場での調査や世界遺産踏査による資料収集ができなくなったことで、②④⑤の単元の改善は進展しなかった。 今後の調査や資料収集が見通せないため、2021年度はこれまでに実施した①③⑥の単元を中心にカリキュラムモデルの分析と改善、及び検証を行い、2020年度から2021年度に発表した歴史総合に関する研究成果と関連付けることで、これまでの研究成果を著書としてまとめることとした。これにより、コロナ禍での延長を除くと、当初の研究計画は概ね達成されることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は所属大学からの国外研究制度により1年間オランダのアムステルダム大学に滞在する。コロナ禍の終息は未だ見通せないが、今後は現地でビックヒストリーや世界遺産に関する資料収集を行い、探究的な学習とESDの研究を深め、可能な範囲で②④⑤の単元の改善を試みることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、当初予定していた直接での学会参加や、学校現場での調査と夏期の世界遺産踏査を含めた研究活動を見送らざるを得なくなり、引き続き次年度使用額が生じた。 2022年度は研究をより深化・発展させるため、図書・文献等の資料収集と、現地調査の費用に充てる予定である。
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