研究課題/領域番号 |
18K02558
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研究機関 | 比治山大学 |
研究代表者 |
森川 敦子 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (00628745)
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研究分担者 |
鈴木 由美子 広島大学, 教育学研究科, 教授 (40206545)
高橋 均 広島大学, 教育学研究科, 講師 (40523535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 道徳教育 / プログラム開発 / 思春期 / 対人的適応 / 規範意識 / 道徳科授業 / ソーシャルスキルトレーニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校高学年から中学校を対象とした思春期に特有な対人的不適応を解消する道徳教育プログラムを開発することである。そのために本研究では、まず思春期の対人的不適応の現状を明らかにし、課題解決のための理論的基盤を構築する。そしてその理論に基づき、小学校高学年を対象とした対人的不適応を解消する道徳教育プログラムを開発し、その有効性を明らかにすることとしている。 1年次に当たる平成30年度は、研究者らのこれまでの研究及び国内外の先行研究をもとに、思春期の対人的不適応の特徴や要因を明らかにし、本研究の理論的基盤を検討した。研究の一部は、学術論文(「夏休み明けの学校不適応の解消に効果的な道徳教育プログラムの開発 ―生徒指導の視点を踏まえた中学1年生への取組に着目して―」、「児童の学校適応感を高める道徳教育プログラムの開発 ―小学校第5学年の実践をもとに―」)として公開した。今年度の研究の結果、対人的不適応を解消するための道徳教育としては、1時間単位の道徳科授業やSST(ソーシャルスキルトレーニング)を個々に積み上げていくよりも、それらを効果的に組み合わせた道徳教育プログラムとして行う方が有効であることを明らかにした。それを「プログラム・ベースド・アプローチ(program baced approach:仮称P-BA)」と命名することしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、研究者らのこれまでの研究及び国内外の先行研究をもとに、思春期の対人的不適応の特徴や要因を検討し、本研究の基盤理論である「プログラム・ベースド・アプローチ(program baced approach:PBA仮称)」を構築することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき、本年度は構築した理論的基盤「プログラム・ベースド・アプローチ」をもとに、実践研究の目的、方法を明確にするとともに、実践研究の全体像を明らかにする。そして、小学校5年生を対象とした教材やプログラム案を策定・実践し、質問紙調査等によってその効果を検証する。調査校は選定済みであり、該当校の校長にも内諾を得ている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、国際学会(WCCI世界教育課程・教育方法学会、イタリア・ローマ)に参加・発表する予定で、該当旅費の執行を計画していた。 しかし、大学業務の都合で学会への参加が難しくなり、研究の一部は研究論文として公開することとした。そのため、国際学会参加分の旅費、大会参加費、委託費(翻訳代)等が当初予算より少額となった。 当該年度に執行できなかった分については、次年度の旅費、学会参加費、委託費(翻訳代)等の拡充分に充てる。
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