研究課題/領域番号 |
18K02559
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
大滝 一登 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (10544299)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | テキスト / 読解 / 難度 / 高等学校 / 国語科 / カリキュラム |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き令和2年度も国内外での新型コロナウイルスの感染状況が予想以上に思わしくなく、研究活動に大きな支障をきたし、当初計画の変更を余儀なくされた。当初計画で実現できていなかった、「読むこと」に関する資質・能力に関する、アメリカ合衆国など諸外国におけるテキストの難度に関する渡航調査も前年度同様、進めることはできなかった。 そこで、令和2年度は、主として文献を中心とした先行研究について調査することとし、調査範囲を国語教育史的視点でも行うこととし、義務教育にも視野を広げ、過去の国語教育関係雑誌等を調べることとした。現時点では明確な知見を得るまでには至っていないが、カリキュラム的視点で文章教材の難度に着目した文献はいまだ乏しく、令和3年度の研究でも引き続き取り組むべき点であるといえる。 日本語学における日本語教育研究における、テキストの難度に関する研究を注視するとともに、テキストマイニングの手法を活用して、高校生対象の調査用テキストを検討しつつあるが、緊急事態宣言下の期間も長く、また、他の業務多忙により研究活動に時間を十分に充てることができなかったため、当年度における具体的な研究成果は十分ではないが、オンライン学会への参加などにより研究方法と研究の方向性の一部を獲得することができたのは大きな成果であるといえる。 本研究は、必要に応じて、コーパスに関する日本語学や情報科学、高等学校国語科教員などの協力を得る可能性が高いが、残された研究期間で実施できることに絞って進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に実施できなかったため、「読むこと」に関する資質・能力に関して、アメリカ合衆国など諸外国におけるテキストの難度に関する調査研究を渡航調査により進める予定であった。しかし、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大が収束することなく、当年度における渡航調査を断念するに至った。さらに、国内の協力校への依頼や訪問も自粛せざるをえず、当初計画の再変更を行い、過去の文献調査を中心とした限られた研究のみを進めることとした。関係学会の動向を注視しつつ、国語教育における先行研究や日本語教育におけるテキストの難度に関する先行研究について進めたが、業務の多忙化も加わり、当年度においては高等学校国語科カリキュラムに資する知見の獲得につなげることは十分ではない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大が国内外で収束することなく、物理的な移動やコミュニケーション、図書館の文献の入手等に大きな支障が生じたため、計画の更なる修正が必要だと考えられるが、引き続き母語教育としての国語科教育への応用に向けた更なる知見の獲得を目指す。 具体的には、引き続き、テキストの難度に関する指標等の設定・検証のため、サンプルテキストを使用した研究代表者及び研究協力者による分析と併行しながら、実地での調査を小規模で行い、得られた知見を相乗的に成果につなげることを目指すものの、残された研究機関も限られているため、研究機関の延長申請も視野に入れつつ、可能な研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、当初計画においては、外国旅費、国内旅費を計上していたが、調査研究を予定していた時期に新型コロナウイルスの蔓延による渡航中止や国内訪問についても自粛を余儀なくされたこと、本務多忙に加え、研究の実施計画の変更などにより、必要となる印刷経費等を翌年に持ち越したことなどによる。 次年度は、更なる先行研究やサンプル研究の拡大、高校生や高校教員を対象とした調査を予定しており、適切に使用することとしている。
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