研究課題/領域番号 |
18K02568
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
昆 万佑子 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (70507186)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | eラーニング / 動的幾何学ソフトウェア |
研究実績の概要 |
信州大学教育学部数学教育コース必修講義「ユークリッド空間内の幾何学」の内容に関連して、動的幾何ソフトウェアを用いてWeb上で使用できる自主学習教材の開発を行った。 「ユークリッド空間内の幾何学」は、作図題、ユークリッド幾何学、面積等、小学校及び中学校で扱う図形の性質の背景を学ぶ科目である。また、この科目で扱う球面幾何及び双曲幾何は発展的な内容であり、地球儀や地図といった日常的な題材と抽象的な微分幾何学を結びつける等、抽象的な思考を養う際に適した題材である。動的幾何学ソフトウェアを利用し、平面幾何の作図題、面積の定義、球面幾何、双曲幾何のモデルについて、数学的背景を解説する自主学習教材を作成した。作成した教材を信州大学全学教育基盤システムeAlps上で公開するため、eAlpsのフォーマットに合わせて教材の修正を行っているが、まだ完了していない。 信州大学教育学部数学教育コース必修講義「幾何学基礎」は、大学で数学を学習する際に基礎となる、集合と位相に関する内容を扱う科目である。幾何学基礎の自主学習用に、演習問題を中心とした自主学習教材を作成し、講義で活用を図った。 教材開発に際し、eラーニング教材開発に関する先行研究を整理し、日本数学会年会及び幾何学に関連する研究集会で、課題に関する最新の研究動向に関する情報収集を行った。また、教育実習後の3・4年生にアンケートを行い、指導要領や教科書と照らし合わせ、重要度が高い内容を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成三十年度の研究実施計画では、幾何学系の数学専門科目の自主学習用eラーニング教材を二科目分開発することを目標としていた。開発はおおむね計画通りに進んだが、まだ完成していないコンテンツもあり、平成三十一年度に実際に授業で使用しながら同時並行で開発を行う必要がある。 また、信州大学全学教育基盤システムeAlpsに教材を掲載するにあたり、動的幾何学ソフトウェアGeogebraで作成したファイルを表示するなど、技術的な問題の解決が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に作成した自主学習教材を実際の講義で活用し、効果の検証、問題点の特定を行う。eラーニング教材をeAlps上に公開し、動的コンテンツを授業中の演習に使用する。定期試験や教材内の演習問題から学生の理解度を検証する。また、アンケートを行い、改善が必要な個所を特定する。 作成した教材について、小中高での授業内容との関連の観点から、数学教育学研究者に評価・検討を依頼する予定である。
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