研究課題/領域番号 |
18K02571
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 太一郎 三重大学, 教育学部, 教授 (90183813)
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研究分担者 |
中西 康雅 三重大学, 教育学部, 准教授 (00378283)
松本 金矢 三重大学, 教育学部, 教授 (10239098)
荻原 彰 三重大学, 教育学部, 教授 (70378280)
國仲 寛人 三重大学, 教育学部, 准教授 (70402766)
佐藤 年明 三重大学, 教育学部, 教授 (80162452) [辞退]
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 教授 (80218544)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | STEM教育 / ユニットプランナー / PBL / ICT / PhET |
研究実績の概要 |
本研究は、日本におけるSTEM教育として、理科で学ぶ基礎と、その応用面として技術・家庭を教科横断的に結びつける探究的な学習が、科学的思考と創造性を高めるために重要であることを明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年度に作成した教科横断的なユニットプランナー(単元指導案)の実践、および探究のテーマと指導案に基づいた実践を行った。 教科横断的な実践研究は、小学校2年生の生活科における「動くおもちゃづくり」で行い、楽しく遊ぶための工夫、得点化するなどの算数の学習内容、遊び方の説明書作成などの言語学習の内容を組み合わせた。その結果、児童の作品には数や得点を他の児童と競うような変容が見られ、1年生に遊び方を説明するなどの言語活動の充実がみられた。 探求型の学習実践としては、中学校における「生物の体のつくりとはたらき」における栄養吸収で行った。「切り花を長持ちさせるには?」という課題について、実験を通じて「栄養と吸収」に関する本質的な理解を図る単元計画を立て、中学校2校で行った。糖を含む溶液ほど切り花が長持ちすることに気づき、生徒は糖が吸収されることで生命維持が行われることや、光合成によってつくられるデンプンは糖となって植物体に吸収されることを理解できた。 生命科学に関するSTEM教育プログラムとして、ヒトの体の調節に関する心臓の学習と、健康診断における心電図の理解を結びつける授業案を開発し高校で実践した。生徒は心臓の活動に関する理解を深めるとともに、他の器官や生物電気に関する関心を広げた。 また、中学校におけるSTEM教育プログラムを実践する上でシミュレーションソフトであるPhETの活用は欠かせないため、中学校理科における16単元においてPhETを活用した指導案作を行い、中学校における実践を行った。作成した指導案については、副教材として活用するための準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究申請書において示した当該年度の研究計画に沿って研究が進んでいる。すなわち、STEM教育的なテーマの抽出、授業案の作成、および教育現場での実践を進めてきた。成果の一部は、学会発表や論文発表を行うとともに、論文準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
教科横断的で探求型授業の開発および指導案作成をさらに進め、児童生徒の科学への興味関心の向上や課題解決力の育成に対する有効性を評価・分析する。新型コロナウィルス感染症の影響で、授業実践の一部は実施できないことも予想されるが、小中学校の協力教員に可能な限りの実践を依頼する。探求型授業の一部については児童生徒を対象としたオンライン授業で実施し、自宅での活動の取り組みから有効性を分析する。また、PhETを活用した指導案については広く教育現場で活用を進めるために、補助教材資料集等における公開の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月に予定していたベトナムにおけるSTEM教育に関する調査および共同研究打ち合わせが新型コロナウィルス感染症の影響で実施できなかった。また、購入予定であった生物電気測定機の納品が遅くなることから、次年度の購入とした。
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