研究課題/領域番号 |
18K02575
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
世良 啓太 奈良教育大学, 技術教育講座, 准教授 (30802243)
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研究分担者 |
勝本 敦洋 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30780621)
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 技術教育 / 技術ガバナンス / 技術評価 / 萌芽的技術 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中学校の技術・家庭科技術分野(以下、技術科)における中学生の技術評価力育成に向けた指導方略及び題材・教材の提案を通して3年間のカリキュラム構築を行うことである。そのために、本研究では、(1)萌芽的技術に対する中学生の意思決定及び技術評価観点の把握、(2)意思決定間(肯定・否定・葛藤)における着目度の高い技術評価観点の検討、(3)技術評価力育成に向けた指導方法及び題材・教材の提案、(4)3年間を見通した技術評価力育成に向けた体系的なカリキュラムの構築、という4つの下位課題を設定した。 これまでに、(1)及び(2)の課題への対応として、技術科4内容に関連する萌芽的技術(森林資源を活用する技術、遺伝子組み換え技術、原子力発電、SNS)に対する中学生の意思決定及び技術評価観点の把握及び意思決定間における着目度の高い技術評価観点の検討に取り組んだ。そして、それぞれの対象技術間では、技術評価の反応が異なることが把握された。また、それぞれの対象技術において、肯定群と否定群では、意思決定の判断軸が異なっていることが把握された。また、(3)の課題への対応として、把握された技術評価時の実態を詳細に分析し、それぞれの対象技術を取り上げた際の技術評価力育成に向けた指導方略の力点を指摘した。その上で、「A材料と加工の技術」における、森林資源を活用する技術の是非を取り上げた技術評価力育成に向けた題材及び教材の開発を行い、試行的実践を行い検証した。 本年度では、(3)の実践的検討の成果と課題を検証するなど、これまでの結果について、国内外の学会にて発表を行うとともに論文として整理した。試行実践を俯瞰し、カリキュラムの構築を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により、実践・検証のサイクルが限定的であった。特に、本研究では、技術評価を取り入れた学習を題材の中心に据えているが、生徒間のディスカッションがコロナ禍の影響で慎重にならざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、授業設計ならびに試行的実践を行う準備を継続して行う。その上で、世情を考慮し、これまで実施できている複数の実践研究を俯瞰して、カリキュラムを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響を受け、国際学会等の参加方法が当初の予定と異なったため。これまでは主として技術教育、情報教育をの研究領域として情報収集ならびに論文の刊行を行っていたが、国内外問わず学会のオンライン開催が増加していることを鑑み、教育工学や教育心理学など他領域・分野の視点を取り入れられるよう積極的に情報収集を行い、研究を更に発展する。次年度使用額は、主として国際学会の参加・研究発表と論文の刊行費用を計画している。
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