研究課題/領域番号 |
18K02582
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤原 志帆 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (20381022)
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研究分担者 |
福島 さやか 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (40625901)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インクルーシブ教育 / 音楽科指導 / 学びの連続性 |
研究実績の概要 |
本年度は、「1.『特別支援学校(知的障害)音楽科指導内容例解説表(試案)』高等部用の作成」、「2.『特別支援学校(知的障害)音楽科指導内容例解説表(試案)』の試用と改善」、「3.音楽科における『学びの連続性』保障に向けたICT活用の検討」を行った。 「1」では、平成31年に告示された特別支援学校(知的障害)高等部音楽科の学習指導要領と平成29年に告示された小学校・中学校音楽科の学習指導要領に関わる文献をを分析し、「器楽」と「音楽づくり・創作」の分野について、高等部用の『特別支援学校(知的障害)音楽科指導内容例解説表(試案)』を作成した。 「2」では、作成した指導内容例解説表の試案について、研究協力校(器楽版は1校の小学部、音楽づくり・創作版は1校の高等部)で試用してもらい、試用結果から改善点を検討した。 「3」では、平成29・31年に告示された特別支援学校(知的障害)学習指導要領で、知的障害特別支援学校音楽科に新たに分野として加わった「音楽づくり・創作」について、研究協力校(1校の高等部)のICT機器を活用した取り組みを検討した。タブレット型端末やアプリを用いることにより、生徒たちは、簡単な操作で自分の思い描いた音を出し、視覚的に確認しながら音を「つなぎ、重ねて」音楽へと構成することができ、作品を視覚的にいつでも確認可能な形で保存することができる。ICT機器の活用は、知的障害のある児童生徒の創作活動の可能性を広げるものであると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、音楽活動や授業形態に制限が加わった学校が多かった。 そのため、複数の研究協力校における指導内容例解説表の試用や「学びの連続性に関わる実態調査」の大規模な実施が困難となり、研究の進行が全体的に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行状況を見極めながら、学校現場に無理が生じない範囲で研究への協力を依頼したい。 また、感染症が流行している状況下でも、音楽科の「学びの連続性」を保障するための新たな方策を見出したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、研究協力校における実践や大規模な実態調査が困難となったため、次年度使用額が生じた。 感染症の流行状況を見極めながら、学校現場に無理が生じない範囲で研究活動を進め、当該助成金を使用したいと考えている。
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