研究課題/領域番号 |
18K02585
|
研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
廣田 千明 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (00336447)
|
研究分担者 |
渡辺 貫治 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (20452998)
白山 雅彦 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (30749685)
伊東 嗣功 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (30757282)
寺田 裕樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40360002)
橋浦 康一郎 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (80610229)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | プログラミング教育 / 電子情報技術 / 電子マネー |
研究実績の概要 |
2020年度から小学校でプログラミング教育が本格実施される.文部科学省が示している小学校プログラミング教育の手引きをみると,プログラミング教育のねらいとして①「プログラミング的思考」を育むこと,②プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに,コンピュータ等を上手に活用しで身近な問題を解決したり,よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと,③各教科等の内容を指導する中で実施する場合には,各教科等での学びをより確実なものとすることの3つが挙げられている.①や③については多数の教材が提案されている一方,②については扱うべき内容も豊富であるし,現時点では十分な教材が用意できておらず,教材の開発が必要であると感じられる. ねらい②の題材として,電子マネーが挙げられる.消費税率引き上げ後に実施されているキャッシュレス・ポイント還元事業の効果もあり,最近は急速に電子マネーの利用が進んでおり,非常に身近なものになっている.電子マネーの技術は社会を快適にしており,プログラムが世の中をよくしているという典型例であるが,ただ利用するだけではプログラムによって動作していることを意識することができないため,教材を作る意味がある.電子マネーとして普及しているものとして交通系のICカードがあり,これもブラックボックス化している.ソニーが開発,販売しているMESHという子ども向けのプログラミングツールを用いることで,自動改札機に似せたシステムを構築することができ,これを用いて自動改札機の仕組みを理解するための教材を作成した.今年度は教材の改良を行い,その教材の効果を測定した.さらに,プログラミング教育のねらい②に対応した教材として,自動販売機のおつりの計算を通して,プログラムの働きやよさを理解する教材を作成した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は自動改札機の仕組みを理解するための教材の改良を行い,その効果を測定した.この成果は電子情報通信学会教育工学研究会で発表した.これに加えて新しい教材として,自動販売機のおつりの計算を通して,プログラムの働きやよさを理解する教材を作成した.2種類の教材を作成することができ,おおむね順調に進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
まず,自動販売機を題材とした教材について,効果を整理し,教材の改良を行う.その後,新しい教材として,エレベータを題材とした教材の作成を行う予定である.エレベータは子どもにとっても身近なものであり,ボタン一つでカゴが押されたボタンが示す階に移動し,プログラムで動作していることが確認できるよいテーマである.また,カゴを効率的に移動させるには,アルゴリズムやデータ構造について検討する必要があり,情報技術の基礎を学ぶよいテーマであると考えられる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
本事業で開発した教材の効果を測定するためにプログラミング教室を実施しており,タブレットパソコンを購入する予定であったが,タブレットパソコンはすぐに古くなってしまう可能性があるため,必要な分だけ購入することとしたため,次年度使用額が生じた. 今後も新しい教材を開発するために,micro:bitやレゴ・マインドストームなどを購入する必要がある.教材開発に必要な物品を随時購入する予定である.
|