研究課題
小学校段階でのプログラミング教育のねらいは,小学校プログラミング教育の手引きによると,①プログラミング的思考を育むこと,②情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることへの気付きやコンピュータを活用してよりよい社会を築こうとする態度を育むこと,③各教科等での学びをより確実なものとすることとされている.小学校でプログラミングを扱う場合にはこれらのねらいに適う必要があるが,現時点ではこれらを満たす教材は少ない状況にある.特に,②の情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることへの気付きを与える教材は非常に少なく,現在社会を形成している様々な技術が子どもたちにとってブラックボックス化してしまっている.このような中,プログラミングを通して技術への気づきを与える教材の開発は,子どもたちに技術がよりよい社会をもたらすことを感じさせることができ,意義深い研究である.本研究では前年度までに自動改札機やお掃除ロボットなどを題材とした教材を作成してきた.最終年度はエレベータを題材とした教材の作成とこれまでの成果を論文にまとめた.「計算機シミュレーションを利用した小学生向けプログラミング教材」では,感染症のシミュレーションプログラムを利用し,小学5年生の保健の学習内容である「病気の予防」の学習に利用できる教材について解説した.「小学校の学習内容に即したプログラミング教材の開発」では,オンラインで学習可能な教材として作成した10種類の教材の内容とそのねらいを解説した.「大学教育におけるICT環境の整備と活用」では,前述のシミュレーションを利用した教材について,シミュレーション結果の共有のためにGoogleスプレッドシートを活用する方法を解説した.なお,前年度までの成果を合わせて研究期間中5編の論文を発表した.本研究の成果は,小学校の学習で活用可能な有益な研究成果である.
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秋田県立大学総合科学研究彙報
巻: 23 ページ: 75-81
秋田県立大学ウェブジャーナルA
巻: 9 ページ: 106-119
巻: 9 ページ: 120-132
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