研究課題/領域番号 |
18K02609
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大森 玲子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (70447259)
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研究分担者 |
山野 有紀 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (10725279)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食育 / 食教育 / 味覚教育 / 表現 / 言語 |
研究実績の概要 |
本研究は,フランスの学校現場で展開されたピュイゼ理論を活用して,言語表現力育成と連動した食育プログラムの開発を行い,食の場面における感覚語彙の蓄積と表現を通して言語能力の育成に資するか検討を進め,食に関わる課題解決型の食育推進だけでなく,言語表現力育成に向けた食育のあり方を意義づけようとするものである。 全体計画のうち,最終年度は,開発した食育プログラムを用いて栄養教諭・学校栄養職員等を対象とした研修を実施し,学校現場におけるプログラムの実行可能性と有効性について検証する予定であった。しかしながら,昨年度同様,社会情勢により対面研修の機会を設けることが難しかったため,オンラインで開催できるよう,引き続きプログラムで活用する教材や資料の検討を進めた。また,昨年度,オンラインによる予備検討の際に明らかとなった課題として,(1)嗅覚情報の共有が難しいこと,(2)家庭における通信環境の差による受講障害が生じること,(3)参加者同士の情報共有がしにくいこと等が挙げられたため,ピュイゼ理論に精通する研究者と情報共有し,新たな教材開発に向けて意見交換を実施した。嗅覚情報の共有がしにくい場合は,視覚や聴覚にアプローチする手法を取り入れたり,嗅覚にアプローチするサンプルを事前に送付したり等の対応による事例が提示された。 また,学校現場に一人一台の端末が配布され,種々の場面で活用され始めたため,どのような教材が実際に利用されているのか,教員をはじめとした学校関係者から情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
開発したプログラムの本実施を進める上で,食育先進地における現地調査と資料収集を行う予定であったが,世界情勢による渡航制限から遂行できず本実施に影響が及んだ点や学校現場の教員等への研修の機会を設定できなかった点から当初の計画よりも遅れている状況にある。オンラインツールの普及が進んでいることから,対面およびオンラインでのプログラム実施の可能性を視野に入れて,引き続き研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,3年目に滞った,(1)開発した食育プログラムを用いて栄養教諭・学校栄養職員等を対象とした研修をオンラインでの開催も想定しながら検討し,学校現場におけるプログラムの実行可能性と有効性について検証するとともに,(2)継続支援のあり方やプログラムの改良についても検討の上,今後の食育プログラムの展開の方向性について明らかにする。 ただし,研修等が実施できない場合は,他研究者の協力を得て,ピュイゼ理論を学び学校現場で実践している教員等から言語能力育成に関わる有効性について意見聴取し取りまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】新型コロナウィルスの影響により,開発プログラムの本実施が進められなかったことと教職員等を対象とする研修が実施できなかったことによる。 【計画】開発プログラムの本実施をオンラインでの開催も視野に入れて検討し,学校現場のニーズに合わせたプログラム教材を作成する予定である。この計画が難しい場合は,学校現場の教職員から言語能力育成に関わる有効性について意見聴取しプログラムの最終案を取りまとめる。
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