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2019 年度 実施状況報告書

主権者教育推進のための子どもの政治的リテラシーの調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K02615
研究機関信州大学

研究代表者

松本 康  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (60229581)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード主権者教育 / 政治的リテラシー
研究実績の概要

本年は大学生の政治的リテラシーに関する質問紙調査を行った。
<方法>9つの要因(1.属性,2.学校教育,3.家族・友人・知人,4.政治的経験,5.メディア,6.政治的知識,7.意識・技能・態度,8.価値,9.意思決定)を設定し,質問項目を構成した。調査対象は長野県の2つの大学における18歳以上の男女大学生計259名。調査時期は2019年7月。
<結果>小中高の「政治学習の学習方法」は講義法が最も多い。小中学校では活動的な学習も一定程度なされている。政治的な争点や実際の政策を扱う授業は高校で増加。「政治的な問題や政策について話し合った機会」は全体的に少なく,話し合う相手は家族,友達,先生,の順。「リーダー経験・政治に関わる経験」では,学校内のリーダー経験が中心で,実際の政治に関わる機会は少ない。「よく利用するメディア」はSNS,テレビ,ニュースサイトの順に多く,「選挙・政治にかかわる情報源」はテレビ,SNS,新聞の順。「政治的知識」のうち説明できるものは8項目中「基本的人権」「選挙の意味」のみで,特に「政党の政策」「日本の政治家」が説明できない。「政治に対する考え」ではポジティブな考えは10項目中9項目で,政治へのポジティブ度が高い。「重要な政策」では「教育・子育て」「医療」「行政改革・地方分権」の順に重要度が高い。57%が「過去4年間の選挙で投票した経験」がある。
<要因間の関係>「政治的な問題・政策について話し合った」「子どもの時、投票日に親と一緒に投票所に行った」「リーダー経験・政治に関わる経験」「政治的ポジティブ度」の4項目と「選挙で投票した経験」に有意な関係が見られた。「政治・選挙の情報源」「政治的知識」と「選挙で投票した経験」には有意差が認められなかった。「政治的ポジティブ度」「選挙で投票した経験」の2項目と「参議院選挙への投票意欲」に有意な関係が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

第2年目(H31年,R1年)に関しては,①調査票項目の決定,②予備調査,③本調査(小学生,中学生,高校生,大学生),④結果の分析作業,を行う予定であった。本調査を9月までに行う予定であったが,大学生の質問紙調査の一部を行い,分析作業を行った段階であった。残りの小学生,中学生,高校生の調査を3月末までに行う計画であったが,年明け以降,新型コロナウイルス問題のため,現場に入りにくくなり,3月以降は学校が休校となってしまったため,予定より大幅な遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

研究対象としての学校は再開し始めたが,遅れた授業予定の回復と3密回避のため,外からの入校制限があることと,授業時間数に余裕がなく,学校の協力を得にくい状況で,調査再開の見通しが立っていない。調査可能となる時期は夏休み以降と想定されるが,コロナウイルスの再流行の可能性があり,見通しは不透明である。大学生についてはオンライン授業中の所が多く,直接質問紙に記入して回答することが難しい状況であるが,データを取る事が可能になり次第,今年度中に大学生の調査を完結させたい。

次年度使用額が生じた理由

差引額を0にするつもりで残額の物品発注をかけたが,24円の誤差が生じた。次年度の消化は可能である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生における政治的リテラシーの構造2019

    • 著者名/発表者名
      松本康
    • 雑誌名

      日本社会科教育学会全国大会発表論文集

      巻: 15 ページ: 62-63

  • [学会発表] 大学生における政治的リテラシーの構造2019

    • 著者名/発表者名
      松本康
    • 学会等名
      日本社会科教育学会第69回全国研究大会(新潟大会)

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公開日: 2021-01-27  

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