研究課題/領域番号 |
18K02618
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
土山 和久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00273821)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ドイツの職業学校 / コミュニケーション教育 / ドイツ語科 |
研究実績の概要 |
本年度の研究では、研究実施計画に見られる計画五-(b)「カリキュラムと教科書の対応関係の分析」および計画五-(c)「資料分析の理論的枠組みとしての一般教授学、心理学、比較国語教育学研究の方法論を学ぶ」に注力した。その成果として、第73回中国四国教育学会(令和3年11月23日)において自由研究発表「ドイツ職業学校における言語コミュニケーション教育―文字言語コミュニケーション教育の教材特性―」を行い、さらにそれを踏まえながら、同学会誌『教育学研究紀要』(第67巻CD-ROM版)に同名の論文を投稿した(計画七)。 これらの研究において明らかになったのは次の点である:職業学校の教育であるため、ドイツ職業学校の教材・単元は、職業場面と結びついた教材編成であることは自明なことではあるが、それと並んで、文字言語コミュニケーションの基本形式ないしは基本フォーマットに忠実かつ厳密に学習をセットしていく教材特性が明確に浮かび上がった。こういった文字言語コミュニケーションの厳密さは、職業場面における、誤解や無理解を回避する、円滑で安定したコミュニケーションを築いていく基盤となることが推定される。 また、一貫して求められていたのは、表現の客観性である。それは職業上のコミュニケーションにおける冷静さや公正さに通じていく職業人の意識や資質に関わるものであり、そういった方向での言葉の力が、人間を耕すという文化的信念(=言語陶冶)を感じさせるものでもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響で、研究の鍵をにぎる現地調査がなかなか実施できないままである。その分、研究の全体的進捗状況に遅れをきたしている。
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今後の研究の推進方策 |
計画六「協力者を通して、職業コレーク、職場を訪問し、観察を行う。また、必要に応じて、生徒たちへのインタビューを行う」は、長引く新型コロナウイルスの影響により、今年度も実施することがかなわなかった。研究の軌道修正として、国内の実業系の高等学校において、これまでの研究成果の有効性を検証することができないか等の代替企画を検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により期間延長。
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