研究課題/領域番号 |
18K02618
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
土山 和久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00273821)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドイツの職業学校 / 文学的コンピテンシー / ドイツ語科 / コミュニケーション教育 |
研究実績の概要 |
当該年度の研究成果としては、国語学習における資質・能力(コンピテンシー)のありようを考究すべく、本プロジェクトとの関連の中で、ドイツ・フライブルク教育大学のBoelmann氏のBOLIVEモデルを研究対象として、文学テクスト読解の資質・能力の構造を考察し、主に物語教材の読解に関わる資質・能力の構造的階梯の考え方を、具体的な教材に即して提案した。これは、物語教材の中核的対象構造と、学習者サイドの理解構造との関係を切り結び、文学の授業における学習課題の設定および学習評価ルーブリックの開発に資するものであり、その研究成果を第74回中国四国教育学会(香川大会)の自由研究発表「文学的コンピテンシーを育成する国語科授業の開発研究」として口頭報告した。
また、本学教職大学院の院生を指導する中で、昨年度までの研究成果を踏まえた、職業的言語能力を育成するプログラムを、同院生が非常勤講師として構造・実践した看護専門学校の表現教育カリキュラムに援用することを指導した。職業場面でのコミュニケーションスキル(Youメッセージ話法、協働的フィードバック)ば同院生のファイナルレポート「社会的実践力に培う高等学校コミュニケーション教育の研究―実用的言語コミュニケーション能力を育成する授業開発を求めて」作成において、一定の成果を得ることができた。この点で、本研究プロジェクトの成果を、わが国の教育実践に波及させることができたと言えよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響が和らぎつつあるが、当初予定していたドイツでの実地調査が立ち遅れているのに加えて、研究成果を踏まえた、わが国の中学校・高等学校における波及的実践開発に着手できていない。
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今後の研究の推進方策 |
如上の研究の遅れに関わって、ドイツでの実地調査および国内の学校における波及的実践開発ともに、窓口となる研究パートナーおよび機関とは約束がとれているので、当初の研究計画の達成に向けて善処したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で、海外調査および国内での波及的研究がかなわなかった。今年度は、これら残された課題に取り組みたいと考える。
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