研究課題/領域番号 |
18K02628
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
金子 宜正 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (20263965)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヨハネス・イッテン / バウハウス / イッテン・シューレ / 構成教育 / 自由学園 / 竹久夢二 / 水越松南 / エヴァ・プラウト |
研究実績の概要 |
本研究は、これまで研究代表者が進めてきた、ヨハネス・イッテンの美術教育に関する研究と密接なかかわりがある。本研究では、イッテンの様々な領域への探究について分析を行うとともに、バウハウス関係者及びその周辺に関する研究調査を進めている。これらと併せて、本年度は、日本のバウハウス受容にかかわる関連資料の研究調査を行った。 『構成教育大系』(川喜田煉七郎・武井勝雄共著、1934年出版)は、バウハウスの影響がある書籍として知られているが、かつて研究代表者が明らかにしたように、同書には、イッテン・シューレで学んだ自由学園の山室光子・今井(結婚後:笹川)和子にかかわる図版や、イッテンの著述を出典とした図版などが含まれていた。他にも、同書の図版出典をいくつか特定してきたが、さらに、本研究を通して、研究代表者は、これまで『構成教育大系』の図版出典としては知られていなかった出版物を見つけることができた。これにより、『構成教育大系』に掲載された図版出典の多くを解明した。 また、2019年のバウハウス創立100周年に向けて、様々なプロジェクトが実施されており、研究代表者は、本年度、バウハウスに関する二つの国際シンポジウム(日本及びドイツにて開催)に招聘され、本研究ともかかわりのあるテーマについて、招待講演を行った。さらに、研究代表者は、ドイツの主催者側から依頼され、バウハウス創立100周年の国際プロジェクト「バウハウス・イマジニスタ」の展覧会カタログ(スイス及びイギリスにて出版)に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、イッテンの様々な探究にかかわる関連資料等の分析を行うとともに、バウハウスやその周辺にかかわる資料を調査した。併せて、日本におけるバウハウス教育の受容にかかわる関連資料の研究調査を進めた。また、2019年にバウハウス創立100周年を迎えるにあたり、バウハウスにかかわる様々な研究書籍等の出版がすでに進められていることから、入手可能となった、本研究にかかわる文献や関連資料等を収集した。 研究代表者は、日本及びドイツで開催された、バウハウスにかかわりのある国際シンポジウムに招聘されたが、これらのシンポジウムを通して、国内外の研究者たちとの交流がさらに広がり、情報交換や意見交換をしながら本研究を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
イッテンの多岐にわたる探究について、関連する資料等の分析をさらに進めるとともに、イッテンとかかわりのあった人物、バウハウス関係者とその周辺にかかわる資料等について、現地における資料収集・研究調査を行う。併せて、本年度までの研究調査や資料分析等にもとづき、必要な関連資料等を収集する。 2019年度は、バウハウス創立100周年の年にあたり、関連する展覧会が国内外で実施されるため、現地における研究調査と併せて、展覧会の関連資料や関連出版物等を入手する。この機に復刻される資料や新たに出版される研究書籍等については、本研究に関連するものを積極的に収集する。 本研究を通して得られた研究成果を纏める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に予定していた海外調査については、次年度以降に実施する方がより多くの関連資料を調査できることがわかったため、国内における資料調査を先に行い、次年度以降の海外調査に必要な経費を繰り越すこととした。
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