環境教育の特長である『アクティブラーニングとの親和性の高さ』と『教科横断性』に着眼し、本申請課題では教科教育と連関したアクティブラーニング型・環境教育モデルの確立を目的として研究を進めてきた。当該年度には、小学校4年生(約100名)を対象にビオトープを活用した環境学習会を3回(夏、秋、冬)実施し、これまでの研究で確立してきた『テキストマイニング分析』を用いて学習効果の可視化を試みた。 学習会の直後に小学生が自筆した日記(各回約100人分、延べ300人分)を分析の対象とし、デジタルデータ化した後、これまでの研究で構築したコーパスをもとに形態素解析と共起ネットワーク解析を行った。 各学習会において学びの中心となったテーマ(例えば、夏はトンボ、秋は落ち葉や木の実など)を中心に共起ネットワークが構築され、「知る」、「分かる」といった学びの効果を表す動詞が共起する傾向を捉えることができた。また、季節によって変わる動植物の存在の有無、自然の彩の変化を表現する記述も見られた。さらに、冬に行った最後の学習会後の日記では、「もっと」、「知る」、「これから」、「自然」、「大切」などの語の出現が目立ち、同じフィールドを用いた継続的な学びがさらなる学習意欲の向上に帰結したことを捉えることができた。加えて、コロナウィルス感染拡大によって開催することができなかった「春」のビオトープの姿を予測する表現も見られ、学びの場であったビオトープに対する愛着も深まった様子であった。学校内での教科教育と、学校外でのアクティブラーニングの融合により、より深い学びを喚起することが可能であった。
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