研究課題/領域番号 |
18K02640
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
内山 有子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (30449996)
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研究分担者 |
衞藤 隆 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 名誉教授 (20143464)
佐々木 司 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50235256)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 健康診断 / 健康管理 / 幼稚園 |
研究実績の概要 |
文部科学省の学校基本調査によると、2018(平成30)年度には国立49、公立3,737、私立6,688の合計10,474の幼稚園があり、1,207,884人の幼稚園児が通園している。 幼稚園は小中学校と比較して私立の割合が高いこともあり、健康診断や保健管理の実態などが十分に把握できていない。そこで、幼稚園における健康診断の実施状況や養護教諭の配置状況、保健室の設置設備などの実態を調査することによりわが国の幼児の保健管理の実態を明らかにし、幼稚園から小学校へのスムーズな保健管理の連携や幼児期から行うべき生涯を通じた健康づくりについて検討することを本研究の目的とした。 2018(平成30)年度は7月、12月、2月に計3回の研究会議を行い、幼稚園における保健管理に関する国内外の文献収集および幼稚園へ送付する質問紙の調査項目の検討を行った。また、研究に協力してくれる幼稚園の選抜するため、分担研究者の知人に紹介を依頼したり、幼稚園教諭および養護教諭が出席する学会等で幼稚園における健康管理に従事する教員より「幼稚園児に健康診断を行うことの利益」や「幼稚園における健康診断と保健管理に期待されること」「幼稚園に養護教諭を置くことの意義」などの話を聴取した。 これらの結果、2019年度に全国の幼稚園を対象に実施予定である調査の予備調査用紙を作成し、保健室などを見学させていただく幼稚園を選定することができた。 今後、幼稚園養護教諭だけではなく、幼稚園教諭ならびに卒園生の進学先である小学校教員にもインタビューなどを行い、養護教諭が置かれている園と置かれていない園での保健管理の状況とその後の発達や健康状態などを比較する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は計画通り、幼稚園における保健管理に関する国内外の文献を収集し、幼稚園へ送付する質問紙の調査項目の検討を行った。現在、予備調査用の質問紙を、全国の公立幼稚園3園、私立幼稚園3園に送付し、質問内容等の妥当性を検討している。 また、幼稚園養護教諭を配置している幼稚園と連絡をとり、今後、保健室を見学させていただくための準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は全国の約1,000幼稚園(国立49園、公立3,737園の10%、私立6,688園の10%)に「健康診断の時期・回数・検査項目」「保健指導の実施状況」「保健室の有無」「保健室の備品」などを問う質問紙を郵送し、回収、集計、分析を行う。また、現在、幼稚園の保健室に勤務している養護教諭や幼稚園教諭、小学校教諭などに半構造化面接を実施し、幼稚園で行われている健康診断の実態および課題の分析を行う。 2020年度は、上記の調査結果を総合的に分析し、幼稚園における保健管理の現状と小学校への健康情報のスムーズな連携の可能性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた幼稚園保健室見学が幼稚園行事等と重なり実施できなかったため、次年度使用額が生じた。2019年度に日程を再調整して幼稚園保健室見学を実施するとともに、北欧の幼児健康診断を見学する経費としても使用予定である。
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