本研究では、舞踊ワークショップの参加、舞踊の指導場面の調査及びインタビュー調査から、音楽鑑賞授業に応用できる音楽活動を、教材曲の特性や固有性と対応させて明らかにすることを目的とした。 研究期間の初年次はバロック・ダンスやクラシックバレエの資料を収集したのち、小学生から高校生までを対象とした舞踊家の指導場面を中心に観察し、楽曲固有のリズムを身体の動きから参与観察して授業実践につなげることができた。 2年次は日本民踊の指導場面の観察及びインタビューの実施、世界の民謡にあわせた舞踊的な遊びに関する資料を収集した。3年次はコロナ禍による影響で計画通りに研究が進まなかったため、これまで小学校で取り入れてきた音楽活動を含む授業を、視聴活動のみで実施し体験活動で得られた記述と比較して学会発表を行った。 最終年度は、学会発表を行った実践研究を修正版グラウンデッドセオリーアプローチにより分析し、論文発表を行った。また、研究成果をまとめた冊子(パンフレット)を作成し、webサイト「歌で踊るダンスで聴く」において研究の一部を公開した。また、授業では実施できなかった音楽活動についても、希望を募って小学生の異年齢集団を大学に招き、ワークショップを行って音楽活動の妥当性を検討した。その一部を、音楽活動事例資料としてresearch mapで公開している。
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