本研究は,教師の判断過程から事例的に実践的知識の在り方を検討してきたこれまでのアプローチとは異なり,教師が既に保有している判断過程の基盤となる実践的知識を明らかにすることであり,実践的知識に関する新たな知見を見出す手がかりを提示できるものと考える。その成果は,体育授業の中で教師が適切に意思決定を行うために,どのように事前計画を認識しておくことが望ましいのか、という体育の授業改善に資する課題を解決する際の手掛かりともなる,教員養成において,学生に指導する視点を検討する知見ともなり得,事前計画作成時に必要な考え方,授業への生かし方が導出されるという点で意義がある。
|