研究課題/領域番号 |
18K02661
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
渡辺 敏明 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (90220904)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 小学校体育科 / スポーツ運動学(発生運動学) / 動感 / 促発指導 / 運動アナロゴン / 運動遊び / 体つくりの運動遊び |
研究実績の概要 |
令和2年度は,N県教員研修(講義と実技演習)及びS市体育同好会夏期研修(実技演習)において,小学校体つくり運動に関する教員研修プログラムを実施し,低学年教材として有用と考えられる運動遊び及びプログラム内容に関する小学校教員の認識等を質問紙調査によって収集した。また,主に低学年児童を対象として小学校現場で実施されたN県体力向上事業において,研究者が行った指導実践(6会場12回授業)の様子をVTR撮影した。それに基づいて,児童が取り組んだ運動遊びの様相に関する観察分析を実施した。加えて,参加した全ての児童及び教師を対象として質問紙調査を実施した。 これらの質問紙調査の結果から,指導する教師が運動遊びに対してもっている認識や,教員研修プログラムによってもたらされた体つくり運動領域に対する認識の転換に加えて,取り上げた運動遊びに対する認識の転換が確認された。また,児童を対象とした指導実践の観察分析と質問紙調査の内容検討を通して,小学校低学年の児童が楽しく取り組める運動遊びはどのような要素を持っているのかについて,また運動遊びの提供のしかたについて,一定の知見が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の影響により,教員を対象とした教員研修プログラムにおいても,児童を対象とした運動遊びプログラムにおいても,新型コロナウイルス感染拡大状況下での運動実施となったことで,当初予定していた一連の運動遊びの構成を変更することに加えて,感染拡大防止のため3蜜を避ける方策をとる必要が生じた。特に,小学校現場における継続的な授業実践に制約が生じたことから,計画していた小学校現場における運動遊び領域(低学年領域)の単元を通した実践的検討に取り組むことが不可能となった。しかしながら,コロナ状況下において新しい生活様式をふまえた体育実技のあり方を検討していくための情報を得られたことは大きな成果である。以上のことから,大幅に研究計画が変更となったが,次年度に向けた新しい生活様式を踏まえた研究実践を再構想するため,研究計画の1年延長を申し出ることとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
現在,新型コロナウイルス感染症の影響により,すべての学校現場における学習活動のあり方に「新しい生活様式」が求められている。そうした社会状況の中で,体育授業のあり方についても模索されている状況である。この状況下において,本研究で考案した運動遊びと教材構成を小学校現場で実践することが可能となるよう,次年度においては運動遊び領域(低学年領域)の単元を通した実践的検討にこだわらず,運動遊びの後々の学習可能性を見通した実践が可能となるよう,状況を鑑みながら検討を進めている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に未使用額が生じた理由は,研究計画の中で当初予定を組んでいた一連の予定が新型コロナウイルス感染症の影響によって中止せざるを得なくなり,国内の調査・研究の一部を次年度に繰り越すこととしたためである。
(使用計画) 令和2年度で使用できなかった研究費を,令和3年度請求額に繰り越して,調査・研究のための経費として使用する。
|