研究課題/領域番号 |
18K02670
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
久米 禎子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90388215)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 箱庭 / 教育相談力 / 自己理解 / 自己受容 / 共感的理解 / 体験型教員研修 / グループ力動 |
研究実績の概要 |
初年度である平成30年度は,当初の計画通り,教育相談研修「箱庭体験グループ」(1回目)の実施とデータの収集を行った。「箱庭体験グループ」については,6名の現職教員の参加者を得ることができた。参加者には小学校・中学校・高等学校の3つの校種の教員が含まれており,教職経験年数は10年以上30年未満であった。研究代表者がファシリテーターとなり,平成30年7月から平成31年1月まで,月1回,計7回(1回約2時間)のグループを実施した。当初の予定では,7回のグループで個人箱庭を各自2回,グループ箱庭を3回行うことにしていたが,思いのほか箱庭制作が短時間で終了する参加者が多かったため,途中で回数を変更して,個人箱庭を各自3回,グループ箱庭を4回行った。また,グループ終了後の2月~3月には参加者に個別に半構造化面接を行い,自身のグループ体験や体験における気づき,教育相談研修としての箱庭体験グループの意義・課題などについて語ってもらった。データは以下のように収集した。 (1)グループ開始前(平成30年7月):事前の質問紙調査 (2)箱庭体験グループ(平成30年7月~平成31年1月):箱庭制作のプロセス(映像データ),シェアリング(音声データ),各回のふりかえり(文字データ)*参加者にはイメージ体験を深めることを意図して,ふりかえり時に「自分がつくった作品から物語をつくる」という課題も行ってもらった。この時作成された物語も個々の参加者の作品や変化のプロセスの分析の際に使用したいと考えている。 (3)グループ終了後(平成31年2月~3月):事後の質問紙調査および半構造化面接(音声データ) これらのデータは平成31年度に順次,整理・分析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画通り「箱庭体験グループ」の実施とデータの収集を行うことができた。しかしながら,グループ終了後の面接調査の実施に時間がかかったため,データの整理は未着手である。また,グループの実施に先立ち,現場の教員である研究協力者とともに実践内容と質問紙の作成・吟味を行う予定であったが,実践開始まで時間的余裕がなく,また年度当初で時間的に協力を得ることが難しかったため,その点に関してはいくぶん検討が不十分にならざるを得なかった。しかしながら,初年度のグループ参加者からさまざまなフィードバックが得られているので,改善可能な点については変更を加え,2年目のグループを実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,2回目の「箱庭体験グループ」の実践と,1回目のグループで得られたデータの整理・分析を行う予定である。また追跡調査として,1回目のグループ参加者に半構造化面接を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は研究に関する助言を得るための研究協力謝金および資料整理(テープ起こし)の人件費を必要経費として計上していたが,時期的,時間的な問題により研究協力が得られなかったこと,およびデータの収集に時間がかかり,資料整理が遅れていることにより,このための予算が未使用のまま残っている。資料整理は今年度進めていく予定であり,また研究協力も引き続き得る予定であるので,未使用の予算は今年度分と合わせて使用したい。
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