1年次,「造形遊び」の歴史的な経緯,内容的な関係性に関して分析を行うとともに,教育現場の実態の把握のために学校現場の協力の下アンケート調査を実施し,「造形遊び」に対する現場教員の認識について分析を行った。この成果については「教科内容としての「造形遊び」の認識に関する一考察 -教員及び学生へのアンケートをもとに-」として学会で発表を行うとともに,論文にまとめて学会誌で発表した。 2年次には,造形遊びが造形的な遊びとして示されて以降の「小学校指導書図画工作編」「小学校学習指導要領解説図画工作編」の分析を行った。分析結果は「『造形遊び』の教科内容としての位置付けとその認識に関する考察 -小学校指導書・学習指導要領解説書の比較分析を中心に-」としてまとめた。 3年次から5年次までの期間は,コロナウイルス感染症の度重なる拡大の影響で学校現場での資料収集の制限を受けることとなった。ただ,その間にも,来校者の制約上十分な体制で撮影を行うことができなかったものの鳴門教育大学附属小学校の協力を得て実践映像の収録を行った。また,令和2年度までに行った研究内容の一部をまとめて「教科書題材に見る『造形遊び』の変遷 -昭和52年告示の学習指導要領とそれをうけて出版された教科書の分析をもとに-」として鳴門教育大学紀要にて発表した。その他,本研究の一部となるものとして,板良敷敏(元教科調査官)の講演「自然な“造形遊び”から,学習内容〈造形遊び〉へ」の記録冊子を作成した。 最終年次はこれまでの研究をもとに,小学校の造形遊びの変遷についての分析に取り組んだ。昭和57年から平成16年までの期間に発行された小学校の教科書における「造形遊び」の題材を対象に,その目標や内容について分析を行った。その成果については「学習指導要領の内容としての「造形遊び」の考察~教科書題材に着目して~」として学会で発表を行った。
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