研究課題
本研究は、バフチン的な対話思想に触発されて発展している対話主義授業論の立場から、アート教育の意義を、<子ども>-<(制作過程にある)作品>-<大人(教師・アーティスト>という三項関係からなる対話構造を分析することで明らかにする。その際,アート活動の特色を見るために、アートとの類似性が一般的にいわれ、また幼児教育で重要だとされている遊びの活動と比較する・令和4年度は令和3年度に実施できなかった中心的な観察サイトである幼稚園の観察と保育者からの聞き取りをある程度おこなうことができた。しかし予定していたスウェーデンの保育園,およびアメリカでの小学校での観察と保育者からの聞き取りは,covid-19のため、また研究代表者の体調不良のためいずれも実行することができなかった.実際に実行した研究活動として,幼稚園での新しいデータ取得と分析の他に、昨年度と同様主に令和1年度に幼稚園で観察した記録の詳細な分析を,当幼稚園での観察をおこなっている他の研究者,アメリカの協力研究者と共にネット上でのミーティングでおこなった. その結果として、対象幼稚園での想像遊びが想像的世界作りであること、またこれまでの想像遊び論が社会に既に存在する社会的役割の専有を重視するが、大事なのは個々の子どもが現実世界を探り、そこからある一貫性を持った全体としての想像世界を作り上げていくことがあきらかになった。その結果について、フィンランドでの国際学会(online)で発表した。またその結果に基づき、アメリカ、フィンランドの研究者との共著を準備中である。また、理論的な基礎としての対話的な授業論についての論文がアクセプトされ(Dialogic pedagogy: an International online journal)刊行準備中である。
3: やや遅れている
現在アメリカ・フィンランドの研究者と共著を執筆中であるが、その仕事を推し進めるためにも海外のプリスクール,小学校で同様の実践をおこなっているところでの観察,聞き取り,それを共有しての海外の研究者との密接な意見交換がより重要になっている。ある程度onlineでおこなっているが現場を共有しての意見交換が必要であり,それがcovid-19および研究代表者の体調不良のため十分におこなえなかったのが研究を遅らせた大きな理由である。
国内外の研究サイト両方で,直接に現地に行っての観察,聞き取り,意見交換が必要であり,体調回復次第それをおこなう予定である。
予定していた海外出張を行えなかった。2023年度ではそれを行う予定である。
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