研究課題/領域番号 |
18K02685
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
子安 潤 中部大学, 現代教育学部, 教授 (90158907)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 資質能力 / 教科内容 / リアル授業とオンライン授業 |
研究実績の概要 |
感染症の影響により、海外及び国内の研究会・授業参観による直接的な資料の収集は実現できなかった。 しかし、感染症による学校休業の期間に始まったオンライン授業の動向については研究を進めることができた。直接的な学校での参観には制約があったが、オンラインによる研究会を通じて、研究をある程度進めることができた。ことに、オンラインによる教育の可能性とその不可能性に関する文献的な資料を探索し、基礎的知識を蓄積すると共に、教育実践的データを研究目的である資質能力論と教科内容論との関係や学びという学習活動との関係で考察することへと変換して追求することとし、ある程度は実現できた。 その成果は、「未来の教室の設計を変える」と題して『教育』№896旬報社に、「ICTの不可能性とリアル授業の可能性」と題して『生活指導』№753高文研に掲載した。また、『感染症を学校でどう教えるか』明石書店、『コロナ禍におけるポスト・コロナ時代の教育』学術図書出版社に論文をそれぞれ掲載した。 また、その各種データをもとに、北海道教育学会のシンポジストとして2021年3月に登壇し、報告した。後日、この報告は学会の紀要に掲載される予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定は出張ができなくなったため大幅に変更することとなったが、オンライン授業とリアル授業の対比をするという枠組の変更を行った上で、そうした条件の中での学習活動における教科内容と学習活動の制約がある中での対象理解や認識の違いの検討を行うこととし、その原理的な違いを視野に研究を進めることがある程度できた。 その違いに関する仮説的議論はいくつかの論文として発表できた。その限りで、上記の評価区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も、感染症の影響はしばらく継続すると考えられる。そのため、当初の研究計画に復帰することは難しいであろうが、オンライン授業とリアル授業が併存する状況下という昨年度からの枠組を継続して、学校における実態のデータを収集する。また、それらのデータを土台とした研究報告を作成して、本科研のまとめとする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症のために、出張が不可能となり、関連する研究とデータの収集が止まったため、予算が予定通り執行できなかった。 今年度もなお感染症の影響により、出張を伴う研究は困難なことが予想される。 そのため、文献の集中とオンラインの形での学校教育に焦点を合わせる形で予算を執行する。また感染症の影響を受けにくい物品費を予定よりも増やし、出張等は秋期以後に計画することとする。
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