コロナ禍のため1年間の研究延長が認められた2021年度には、下記の3点の研究実績を上げることができた。第1に、2019年度に「希望創造型教材」として開発した「平和を願った二人の少女の物語-禎子とヒロ子-」の改良版を用いて、佐々木禎子さんの母校である広島市立幟町小学校第6学年の3クラスで研究授業を11月15日に実施し、「グローバル・パートナーシップ」を育成するアクティブ・ラーニング型の新たな多文化理解学習に関する理論仮説とそれ基づく教材開発のためのフレームワークの修正・改善を図った。第2に、2018~2021年度の研究成果を、日本教材学会中国四国九州支部研究大会(香川大学で2022年2月5日にオンラインで開催)において、「『グローバル・パートナーシップ』を育成する教材開発の新視点」と題して研究発表を行った。そして第3に、研究成果の公開と普及のために、これまでの研究成果をまとめた「多文化間イシュー教材集」ともなる研究成果報告書を完成させ、2022年3月1日に刊行した。 しかし、2021年度もコロナ禍の影響は大きく、日本における米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招請した教材開発のためのワークショップや、米国における研究授業の実施とその分析・評価のための評価会議を行うことはできなかった。これらの課題については、2021~2023年度の基盤研究(C)の研究課題「『国際平和文化創造力』を育成する『多文化間イシュー学習』の日米協働開発」の中で、さらに深めていきたい。
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