研究課題/領域番号 |
18K02697
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
物部 博文 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30345467)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 一般教員 / 保健・安全 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
約3000名の学校長と養護教諭を対象に、教員の児童生徒の保健・安全へ対応時の課題と養成段階における学習の必要性について調査を実施した.2019年度は,3月中に回収した調査用紙のデータ化と分析を中心に研究を実施し,2019年12月に実施された学校保健学会では,4演題を研究発表した.一般教諭が児童生徒に対応する場面で,学校長および養護教諭の両者ともに課題があると感じた項目は,「心のケア」,「発達障害への対応」で,いずれも80%を超えていた.また,両者とも比較的課題であるとした項目は,「けがの応急手当」,「保護者との連携(保健面)」,「アレルギー疾患への対応」,「熱中症への対応」,「教員同士の連携(保健面)」であった.一方,学校長と養護教諭で,課題を経験した割合に違いが見られたのは,「感染症への対応」,「健康診断における教師の役割」,「保護者との連携(安全面)」であった.養成段階での学習の必要性が「ある」と回答した割合が,学校長と養護教諭とも高かった項目は,「熱中症への対応」,「心肺蘇生法(AED使用法を含む)」,「アレルギー疾患への対応」,「心のケア」,「発達障害への対応」の5項目であった.養護教諭はこれらに加え,「エピペンの使用法」を挙げていた.学校長と養護教諭で,養成段階での教育内容のニーズに大きな違いは見られなかったが,学校長は「心のケア」,「発達障害への対応」など日頃からの対応を,養護教諭は緊急性の高い場面での対応を重視する傾向にあることが示された.また,ヒヤリ・ハットの分析において,学校長は担任や養護教諭、保護者が「連絡」という言葉のみで結びつくのに対し、養護教諭は「連絡」「確認」「対応」という言葉が保護者や子ども、担任などと結びついた.両者に共通したのは、給食時にアレルギー反応が発生した事例であった.2020年度は,この分析をもとに大学授業を想定した教材を作成する.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査及びその分析は終了しており,ここから授業概要と教材を作成するのは十分に時間的余裕があるため。
|
今後の研究の推進方策 |
全7回分のシラバスを作成し,それぞれの教材,パワーポイントを作成する。CAI教材も作成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は、データの分析に時間がかかり、教材作成まで到達できなかった。2020年度は,学会発表した内容をもとに投稿論文を作成し,投稿する.同時にシラバス作成と実際の大学で使用する授業用のパワーポイントや動画を学校現場で作成する.
|