研究課題/領域番号 |
18K02698
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
相庭 和彦 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (00222464)
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研究分担者 |
雲尾 周 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30282974)
杉澤 武俊 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30361603)
中島 伸子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40293188)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グローバル化人材 / 国際交流活動 / 国際交流プログラム / 異文化理解 / 協働型国際理解 / グローバル化の課題 |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバルな国際社会で即戦力として貢献できる人材育成に、大学学部教育がいかに対応するべきかという課題に、具体的・実践的にアプローチをするものである。計画では特に新潟大学で継続的に実施されてきた国際交流事業における①参加学生の交流体験②参加学生への短期的・中期的影響の質的検討を行い、モデルプログラム開発への示唆と提起を行うものである。 ①平成30年においてはまず国際交流フォローアップ調査のための協力者ネットワークを結成した。参加学生は過去交流事業に参加した学習社会ネットワーク課程卒業生である。また、カンターパートナーである北京師範大学珠海校と北京聯合大学国際交流学院からの新潟大学への留学経験者のネットワークも結成した。SMSを利用したネットワークである。この会を基礎に2度予備調査会議を行い、交流活動についての自らの体験基づいた感想を語ってもらった。また北京でも調査会議を行い、北京聯合大学側の留学生たちにも予備調査を行った。また実際今年度も実施されている2018年度国際交流事業に参加し、参加学生たちの国際認識の変容について聞き取り調査を行った。参加学生の多くが、参加以前よりも国際関係や他国の文化について興味を抱き、グローバルな事象に対する学習関心を高めている。交流参加学生の中から7人もの留学希望者が出ている。 ②については新潟大学学習社会ネットワーク課程が実施してきた交流プログラムの特殊性について参加学生の意見を基に検討を行った。特色としては単なる訪問交流ではなく、地域文化の紹介、新潟県の教育の特色、新潟県の伝統文化の紹介など学生たちの学習の成果報告の場として北京師範大学の学生との交流会を位置づけていること、また大学訪問だけではなく付属学校を訪問し、子供たちの日本の文化や遊びを紹介するなど多彩な交流活動が展開されていることなどが重要であること明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
30年度計画していた国際交流事業参加学生および卒業生たちのネットワークを作ることができた。そのうえで、2度調査会議を開催し、予備調査を行うことができた。また、カウンターパートである北京師範大学珠海分校および北京聯合大学国際交流学院から新潟大学に留学していた学生たちのネットワークを作ることができ、国際交流事業の成果をより広い視点でとらえることのできる可能性が広がってきた。 ネットワークに参加した学生からの聞き取り調査に基づき、調査項目の基本的方向性がほぼ整い、31年度の調査内容がかなり明確になった。実際、国際交流事業に2018年度参加した学生から参加以前と参加後の感想を聞き、その認識変容に何が大きく影響したかを検討した。その結果調査対象としている国際交流プログラムはその準備段階から特色があるが、それが学生たちの認識の変容に影響していることが予想され、本研究の課題であるプログラム作成という課題に重要な視点を得ることができた。 またネットワークの構成員との討議の中で、グローバル化社会に対応する人材を養成していくためには、単に語学教育を充実させるだけでは十分ではなく、自国認識と他国理解が両輪として起動することで成果が上がるということが理解された。 18年度の研究調査のため6月恵州実験学校訪問時、グローバル化人材に対する教育の可能性を公開講演を行った際、11月に恵州実験学校の英語授業を新潟大学大学院の講義の時ライブで公開し、その授業をもとに討議することが決まった。そして、11月大学院講義の際、新潟大学、新潟市猿橋小学校、恵州実験学校を結び、恵州の授業をライブで参観した3者間で研究協議会を開催した。 以上の成果から現在までの進捗状況としては(2)おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
グローバル化社会の特色を整理して、そのうえでグローバル人材とはどのような像なのかを教育行政、教育心理、生涯学習の視点からにまとめ、研究会メンバー内で共有化する予定である。つぎに大学の国際交流活動がグローバル人材の育成育成を目指すためには、どのような具体的活動が必要かを30年度の作った調査会議メンバーに聞き取り調査を行い、その特徴をまとめる。 また、北京聯合大学および北京師範大学珠海分校の新潟大学への留学経験者からも聞き取りを進め、自分たちの国際認識に影響のあった具体的活動について聞き取り調査を行う。 カウンターパートである北京師範大学珠海校および北京聯合大学に訪問し、各大学のグローバル化プログラムに関する資料収集を行い、それに基づいた検討会を行う。 30年度新潟大学。新潟市猿橋小学校、恵州実験学校の共同研究を基礎に、新潟大学で行われる日本社会教育学会で社会科のライブ授業とその検討会を行う予定である。その成果をうけ、北京師範大学珠海校および北京師範大学付属南澳実験学校、恵州実験学校でグローバル人材育成に関する教育方針についての共同研究会を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
北京聯合大学との会議が平成30年2月に予定していたか、相手方の都合により31年度以降に移動したため、令和1年6月以降に会議の旅費として使用予定である。
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