研究課題/領域番号 |
18K02699
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
杉森 公一 金沢大学, 高等教育開発・支援系, 准教授 (40581632)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育開発 / アクション・リサーチ / ファシリテーション / ファカルティ・ディベロップメント / ダイアローグ / 省察的実践 / オンライン授業設計 |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者を含む大学・短大のFD担当者(ディベロッパー)あるいは高等学校等の教員研修担当者を対象にした質的研究を行う。対話によって為す個人と組織の省察的教育実践への介入の過程をアクション・リサーチに基づいて検証する。ファシリテーションによる対話型研修プログラムの開発と実践を通し、授業開発・組織開発の構築及びディベロッパーの対話資質の能力枠組に関する質的研究(アクション・リサーチ)から、次代の教育開発の在り方を提起する。 また、本研究全体のリサーチクエスチョンである、RQ1) 教育開発はFD担当者の個人の資質に頼っている状態にあるのではないか? RQ2) 対話型教育開発による学習共同体は、対話の過程でどのように形成されるのか?に関して、国内外のディベロッパーとの議論と研修の参与観察、研修の共同実施と開発を通して実証的に探ることを目的としている。 当該年度は、米国教育学習センター(CTL)評価マトリクスを参照した日本版作成をもとにした国内ディベロッパーとの研究会を立ち上げ、米国FDセンターのベンチマーク研究から得られたディベロッパーの組織的取組について検証をすすめた。また、コロナ禍の対応からオンライン教育をテーマとした授業設計ワークショップのプロトタイプの開発・試行を実施し、ファシリテーション研修プログラムのアクションリサーチをさらに進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研修参加者の授業における教授過程(授業開発)の変容・省察的教育実践について、参加者フォローアップを進める。研修プログラム設計については、コロナ禍対応のために、対面研修実施が行えなかったことからオンライン研修の開発に切り替えるとともに、米国FDセンターのベンチマーク研究の成果を教育学習センター(CTL)評価マトリクスの日本版開発として進め研究会を組織することになった。米国大学への調査研究が行えなかったことから、研修プログラムの再検討については、オンラインでの調査に変更することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
過去に開発してきたファシリテーション研修に関する整理・分析を継続するとともに、新たにオンライン研修プログラム開発の試行に取り組む。対話プロセスが組織に与える影響について、アンケート調査及びフォーカス・グループ・インタビュー(FGI)調査を併用した調査については、オンラインへ切り替えるとともに、予定されていた米国大学の研修プログラムの調査継続について、オンラインでの学会参加へ切り替えることで研究計画を柔軟に変更しながら進行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって、国外調査が実施不可能となったためオンラインでの学会参加に切り替えたものの計画変更によって差額が生じた。翌年度分については、実際の渡航が困難と予想されることからオンライン調査を継続するとともに、文献調査等に柔軟に切り替えた使用を進める予定である。
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