国・私立大学の学部長および学科長を対象に実施した質問紙調査の分析結果から,次の含意を得た.第1に,共同体意識を強めるという点で,分権的教員人事が行われることは得策だ.第2に,同じく共同体構築の点に加えて大学全体の経営戦略の点からも,カリキュラムの分権化は重要だ.第3に,全学的な利益という点で大学経営の分権化はネガティブな影響があることが推察できたが,それは大学経営への教員参加を否定するものではなく,教授会から独立した教員代表の参加が図られるべきだ.第4に,学長等リーダーシップの影響は大きく,優れた学長等リーダーをいかに育成するかが重要だ.
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