研究課題/領域番号 |
18K02711
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
岡村 郁子 首都大学東京, 国際センター, 教授 (20532154)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グローバル人材育成 / 日本企業におけるグローバル人材の活用 / 留学経験のキャリアへのインパクト / 留学生と企業の仲介 |
研究実績の概要 |
日本留学経験のある外国人で、現在日本企業に就職している者・過去に就職していたがやめて国に帰った者(ミャンマー、ベトナム出身者)にについて、インタビューおよび質問紙調査を実施した。その結果、スキルアップや高給与を目指して日本に留学したものの、日本国内の日本企業への就職活動がうまくいかずに母国へ帰国した者がみられ、企業と就職希望者のマッチングが機能していないことがうかがわれた。日本での就職を阻害する要因として、阿吽の呼吸を求める人間関係、精神的なストレスの高さ、決まり事のわずらわしさなどの働きにくさに加え、日本人の冷たさ、馴染みにくさ、外国人に対する差別などのマイナス要因も語られた。しかしながら、母国に戻っても、日本語ができることで日系企業に就職し、2倍近い給与を得て働いている女性が多くみられ、日本留学のメリットは大きいといえる。 海外の日系企業において日本留学経験の外国人を雇用している人事担当者へのインタビューによると、現地における即戦力として彼らへの評価は高いことがわかる。また、現地で好成績を上げたものを日本へ派遣してさらに研修を積ませるなど、企業によっては日本につながるグローバル人材の養成に力を入れている一方で、同じ仕事をしても日本人より低い賃金で雇用されることに不満を募らせている元留学生も少なくない。 急増した留学生を日本につなぎとめ、日本との懸け橋となる人材を育成するためには何が必要か、今後さらに調査を続け、実証的に探りたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年に入り調査実施のための国内外の出張を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響によりすべてキャンセルとなり、予定していたデータ収集ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度夏以降に出張が可能になり次第、予定していたデータ収集を再開する。日本企業で働く元留学生や留学経験のある日本人、人事担当者などへの対面でのインタビューや質問紙調査が不可能と判断されれば、オンラインでのインタビューや質問紙調査の方法を検討し、速やかに必要なデータ収集を行い、今年度内には分析を開始したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、予定していた国内外の出張が中止となり、出張旅費、インタビュー協力謝金等の支出ができなかった。
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