研究課題/領域番号 |
18K02717
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
廣津 公子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (50793593)
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研究分担者 |
板橋 民子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80469402)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | グローバル市民 / 地域との協働 / 複線径路等至性アプローチ / 多文化共生 / 大学教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、立命館アジア太平洋大学の留学生を対象に、グローバル市民に必要な資質について検証し、地域と協働で、真のグローバル市民としての留学生を育成するためのモデルを提案することを目的としている。 2018年度は、グローバルな視点を持ちながら地域のために活動したり支援したりしている留学生3名を選び、インタビューを通して、グローバル市民とは何かを問い、自らが地域の一員として行動できるようになるまでのきっかけや思考、行動の変化を、複線径路等至性モデル(以下、TEM)を用いて詳細に分析した。しかし、インタビュー対象者の持つ背景や経験が当初の予想以上に豊かで興味深いものであったことなどの理由から、全てのインタビューを完了することができなかった。そこで、2019年度は、初年度にインタビューを終えられなかった2名に対し、追加のインタビューを試みた。その過程で1名の対象者が急遽帰国しなければならい事態が生じ、インタビューの継続が困難になったため、新たに1名の対象者を選び直し、初年度と同様に、それぞれに対して複数回のインタビューとTEMによる分析を実施した。 今後は、この3名の結果を比較し、そこから拾い出した共通性やキーワードを組み込んだプログラムを作成することで、これまで地域と関わってこなかった学生が、グローバル市民としての資質を培うきっかけとなる活動に参加する機会を創出するとともに、どのような意識の変容や行動の変化を見せるのかを調査する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は、インタビューとTEM図の作成を完了し、グローバル市民に必要な資質や経験についての仮説を立てた後、類似体験ができるプログラムを作成する予定であったが、インタビュー対象者の留学に加え、研究代表者の妊娠とそれに伴う体調不良、共同研究者の入院や家族の介護といった、様々な不測の事態が生じ、効率よくインタビューを実施することができなかった。しかしながら、インタビューとTEMによる分析は完了することができたことから、今後はグローバル市民としての資質を培うきっかけとなるプログラムの具体的な計画を進め、実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は育児休業により研究を中断するため、2021年度に、TEMによる分析から拾い出した共通性やキーワードを組み込んだプログラムを実行する。参加者には、半構造化インタビューとアンケートを実施し、参加理由や満足度、 活動から受けた利益等について情報を収集する。最終年度である2022年度に向けて、傾向を分析しながら、定期的かつ継続的にプログラムを開催し、得られた結果について学会や研究会で報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は研究代表者及び共同研究者の体調や家庭に関わる様々な事情により、研究の遂行や遠方への移動が困難となった。ゆえに、プログラムの実行にかかる人件費や謝金、インタビューの文字起こし、学会発表にかかる旅費を次年度以降に持ち越すこととなり、次年度使用額が生じた。残額は2021年度から2022年度にかけて行うプログラムにおける人件費、参加者の半構造化インタビューの文字起こし、学会発表旅費に充てる。
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