イギリスの大学において、プログラムレベルの内部質保証をどのように実施しているかについて、特に質保証に参画するアクターの多様性に着目して、分析を行った。主な分析対象は公開されている一次資料である。研究成果の一例として、イギリス(およびスウェーデン)の学生参画による質保証について分析した結果から、次のような日本への示唆を得た。「学生が作成する評価報告書は,質保証に多角的な視点をもたらす,という点で有意義であることを挙げたい。ここで多角的な視点とは,学生ならではの(学生だから気づける)視角を意味し,教職員が見逃していた潜在的な問題に光を当てられる可能性がある」(田中・武 2022: 13)。
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