研究課題/領域番号 |
18K02728
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
村上 京子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294662) [辞退]
安達 圭一郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90300491)
矢田 浩紀 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80644442)
大達 亮 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10760796)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 健康科学系大学教員 / 心の応急処置 / 異文化介入研究 / フォーカスグループ |
研究実績の概要 |
日本,オーストラリア,タイにおいて,これまでに大学教員を対象に「心の応急処置マニュアル」(MHFA)トレーニングを用いた教育について検討されたものはなかった. 本研究の目的は,日本,オーストラリア,タイにおいて,「健康科学を専攻する学生」に関わる大学教員を対象とし,学生の心理的問題やメンタルヘルス問題に関する大学教員の態度,信念,知識,および関わりの内容を明らかにすることである.本研究の意義は,これらの国々における大学教員がもつメンタルヘルス教育へのニーズや介入方法を明らかにすることである.さらに,調査から得られた「メンタルヘルス問題に関する大学教員の見通し(展望)」の結果から,異なる文化的背景における,メンタルヘルス介入のための教育プログラム(ワークショップ)を個々に作成し,その有効性を検討することで,各国の文化的条件に応じた「健康科学を専攻する学生」のメンタルヘルス問題に寄与する固有の関わり方が明らかになる. 研究1年目にあたる今年度は,各国における研究倫理審査の承認,及び,各国の大学教員がもともと持っているメンタルヘルスリテラシー(認識,知識,実践)を把握するために,健康科学を専攻する学生を教える大学教員にフォーカスグループインタビュー(各国3グループ)を実施することであった. 各国の研究倫理審査承認に手間取り,現在,日本におけるフォーカスグループ(1グループ)が完了した。その他のグループにおいては,参加機関を決定し,グループ参加者の募集をおこなっている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
代表研究者の所属する機関における倫理承認に思いのほか日数を要した。理由としては,多国間でのデータの授受,研究成果の帰属といった文書の取り交わしなど国際研究に伴う諸計画の不備であった。 現在ではこうした問題も解決し,審査承認後,日本における1フォーカスグループが完了した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度中に日本,タイ,オーストラリアにおけるフォーカスグループ(各国3グループ)を完了させ,各国別にトランスクリプションの作成,内容分析をおこなう。 また,こうした作業を通じて,① 各国の健康科学系教員がもつメンタルヘルスリテラシーの特質を明らかにするとともに,各国間での比較をおこなう。② 各国の健康科学系教員のメンタルヘルスリテラシーを高めるテーラーメイドの教育プログラムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際研究をおこなう上での各種取り決め(データ授受,研究成果の帰属など)が難航し,倫理審査申請,及びその承認が遅れることとなった。そのため,2018 年度から開始される予定であったフォーカスグループ(各国3グループ)の実施が一部を除き大幅に遅れることとなった。本来ならば,こうしたフォーカスグループの準備,実施に必要な旅費(国内,海外)として充当すべき予算が現段階では未使用となった。 今回の未使用予算(旅費など)は,フォーカスグループを完了させるうえで必要な旅費(打ち合わせ,データ収集)及び物品費(文房具,電池など)として2019年度旅費予算に組み込まれる。また,その他の2019年度予算は,主として,録音データのトランスクリプション,翻訳(英語→日本語,日本語→英語)に必要な人件費に使用される。
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