研究課題/領域番号 |
18K02735
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
相原 総一郎 芝浦工業大学, 教育イノベーション推進センター, 教授 (30212351)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学修行動調査 / 教育の質保証 / グローバル・コンピテンシー / グローバル人材 / 教学マネジメント / 全国学生調査 |
研究実績の概要 |
コロナ禍は2021年度も研究計画の遂行に大きな影響を与えた。研究実績は以下のようである。 第1に、グローバル・コンピテンシー指標の開発と実装である。2021年度も学修行動調査にグローバル・コンピテンシー指標(MGUDS-S日本語版)を組み込んで全学調査を実施した。しかし、昨年度に引き続き2021年度も、学生の海外渡航は大きく制約された。そのため、グローバル・コンピテンシーの全学的な効果測定はできなかった。一方、2021年度は、インターネットを利用した留学プログラムがいくつか実施された。グローバル・コンピテンシー指標は、渡航によるプログラムとは異なる、このインターネットを利用した留学プログラムの効果測定に利用できた。この研究成果は国際会議で発表した(10th IIAI AAI 2021,7月12日)。 第2に、遠隔授業に関する全学アンケート調査の実施である。昨年度から継続して2021年度は、コロナ禍のもとでの遠隔授業について全学アンケート調査を実施した。前期と後期のそれぞれに学生と教員に対する調査である。そして、対面授業の段階的導入やFD活動等による教育改善等、遠隔授業実践の発展を総合的にあきらかにした。この研究成果は国内外の学会で発表した(大学教育学会第43回大会, 6月6日:49th SEFI2021,Berlin, 9月13日-16日)。 第3に、英国の全国学生調査に関する研究である。英国では2021年度に評価項目の見直しが進行していた。そこで、海外の学修行動調査の研究では英国の全国学生調査の進展について発表した(MJIR第10回研究集会, 11月13日)。日本においても全国学生調査に向けて試行を実施している。英国の全国学生調査に関する研究は、日本での全国学生調査の実施に示唆を与える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大は2021年度の研究計画の遂行にも多大な影響を与えた。2021年度もグローバル・コンピテンシー指標を組み込んだ全学的な学生調査を実施した。しかし、2021年度も学生の海外渡航は引き続き大きく制約された。そのため、グローバル・コンピテンシーの全学的な効果測定はできなかった。しかしながら、いくつかのインターネットを利用した留学プログラムが実施された。グローバル・コンピテンシー指標は、このインターネット利用の留学プログラムの効果測定に利用することができた。 また、新型コロナ感染症拡大による緊急事態に対処して、2021年度も前期と後期に学生と教員への遠隔授業に関するアンケート調査を実施した。一方、海外の学生調査の研究に関しては、インターネットを利用した資料収集等はできたが、訪問調査はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
グローバル・コンピテンシー指標を組み込んだ全学的な学生調査は2022年度も実施する。2021年度は限られた留学プログラムについて参加者のグローバル・コンピテンシーの伸長を測定した。2022年度は全学的にグローバル・コンピテンシーの伸張を測定する。 また、2022年度は対面授業が再開した。それに合わせて遠隔授業に関するアンケート調査は見直しをする。 海外の学生調査に関する研究は、2020年度はアメリカ、2021年度は英国について実施した。2022年度は、海外の学生調査の評価項目について、たとえば学生と教員との関係に焦点をあて、比較的に研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大は教職員や学生の海外渡航に大きな影響を与えた。2021年度はいくつかの留学プログラムについて効果を測定した。しかし、全学的なグローバル・コンピテンシーの伸長は測定できなかった。海外の大学も同様の事情があり、学生調査の国際的な研究遂行には大きな制約があった。2022年度はグローバル・コンピテンシーの伸長を全学的に研究する。そして、海外における学生調査の研究を進める。
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