研究課題/領域番号 |
18K02738
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
松尾 知明 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (80320993)
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研究分担者 |
馬渕 仁 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (20249402)
森茂 岳雄 中央大学, 文学部, 教授 (30201817)
金 侖貞 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (40464557)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 異文化間能力 / 多文化共生 / 日本人性 / 大学 |
研究実績の概要 |
グローバル化が加速する中で、異なる文化との接触や交流は日常化するとともに、地球規模の相互依存は進行し、異なる人々と協働して問題解決を図っていくことに迫られている。日本では、人口減少社会が到来し、外国人労働者の受け入れの議論が本格化する中で、移民時代の体制づくりが急がれている。文化的に異なる人々との相互の交流や依存が急速に深まる今日、異文化間能力の育成が大きな課題となっているといえる。本研究では、日本人性の概念に基づく異文化間能力の定義及びその育成をめざした教育プログラムの基本理念と枠組みを構築することを目的としている。1年次は、理論研究において文献研究を進めるとともに、海外調査、国内調査・教育プログラム開発、総合的な研究協議を通して基礎データを収集した。 松尾は、担当授業において異文化間能力を育む実践を進めるとともに、研究のレビューを行い、理論的な枠組みのたたき台として、「多文化教育と日本人性-異文化間能力の育成に向けて」を執筆した。森茂は、コペンハーゲン大学主催のグローバル・シティズンシップ教育ワークショップに参加するとともに、サンフランシスコ、ロサンゼルス、マンザナールを訪れ、カリフォルニア州をフィールドにした体験学習のプログラム開発の可能性を探った。馬渕は、担当授業を通して、「異文化間能力」に受講生がどのように気づき、理解を深めていくかの調査に着手するとともに、移民や難民を取り巻く状況を把握するため、オセアニア教育学会やInternational Metropolisに出席して発題や意見交換などを行った。金は、多文化教育論や多文化教育学の授業を通して、日本の状況を踏まえた異文化間能力の育成に取り組むとともに、韓国における「相互文化能力」「相互文化力量」に関心をもつ研究者から情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、研究計画書を踏まえて、研究代表者と研究分担者が、独自の興味関心に基づき、大学での授業やその他の調査研究を進めるとともに、メールによる情報交換や研究会での議論を通して進捗状況を確認してきた。具体的には、第一回(6月9日)研究会では、研究計画書の共通理解を図るとともに、本年度の進め方の方針について話し合った。第二回(7月20日)研究会では、各大学でこれまで進めてきた教育実践を紹介し合い、異文化間能力を育成するという観点から議論を行った。第3回目(10月8日)研究会では、前回の話し合いを踏まえ、自分自身が行ってきた別の教育実践や整理し直した教育実践について検討し合い、教育プログラム開発に向けてのイメージの共有化を図った。また、研究の進捗状況について確認した。なお、第4回のまとめの研究会を予定していたが、諸事情により実施できなかった。そのため、メールを通して情報交換を行い、上述のような本年度の活動についての進捗状況を報告し合った。
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今後の研究の推進方策 |
1年次は、理論研究において先行研究をもとに文献研究を進めるとともに、海外調査、国内調査・教育プログラム開発、総合的な研究協議を通して基礎データの収集を進めてきた。その結果、上述のように、おおむね予定していた方向で研究を進めることができた。 2年次は、1年次の進捗を踏まえて、研究分担者の意向を聞きながら、課題を明確にしつつ、計画を軌道修正して研究を進める。2年次についても、各研究分担者の興味関心を最大限尊重しつつ、理論研究、海外調査、国内調査・教育プログラム開発の領域を見据えながら、研究を分担して調査研究に取り組む。異文化間能力を育成するどのような教育実践をデザインしていくのかのイメージを共通理解することが重要であるので、引き続き、メールを通して情報交換を行うとともに、研究会を設定して話し合いを進める。本年度は、昨年度の調査研究を踏まえ、研究の焦点を異文化間能力に向けた教育プログラムの基本理念や枠組みの構築に向けて、総合的な研究協議へと発展させていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に、旅費について、海外調査が実施できなかった場合が生じたため。また、物品費およびその他については、次年度に繰り越した方が効果的な予算の執行ができると判断したため。
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