研究課題/領域番号 |
18K02748
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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研究分担者 |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発達障害 / 事故 / けが / 予防 |
研究実績の概要 |
発達障害傾向のある幼児を持つ保護者、そのような特性のある子どもを保育所、幼稚園等で担任をしている保育者を対象にした発達障害傾向のある子どものけがや事故に関するヒアリング調査の結果を受け、保護者を対象にした講演会および保育者を対象にした研修会のプログラム内容の精査を行った。 発達障害傾向のある幼児は、道路に急に飛び出す、ベランダや階段などの高所から転落する、玄関や窓のカギを勝手に開けて家の外に飛び出す、トイレに物(トイレットペーパーや洗剤の容器など)を詰める、隙間(コンセントの穴など)に物をつっこむケースが多々あり、大きなけがや事故につながる危険性があることを確認している。 そこで、発達障害傾向のある幼児が起こしやすい問題について、家庭および保育所、幼稚園において具体的にどのような対策を講じればよいのかについて、子どもの特性に応じて、プログラム内容を検討した。 例えば、ADHDで衝動性が強い子どもが道路に急に飛び出すことを防止するための方法として、定型発達の子どもには有効な「道路に飛び出したらなぜ危険であるのかを説明する」ことは有効でないことを説明する。なぜならば、このような特性のある子どもの場合、目の前に自分の興味や関心のある事柄があったり、ふと頭に何かが思い浮かぶと、周囲を見渡すことなく、突然に行動を起こすことがある。また、自分の目的の方向にしか視線がいかないため、周りを見ずに、急に走り出したりする。飛び出してから注意しても、効果は表れにくい。そこで、飛び出さないようにするための事前の対応として、事前に飛び出さないことを絵カードなどを用いて約束し、少しでもできたらほめるなどの指導を行う。それ以外に、振りほどけにくい手のつなぎ方、交差点での立ち位置、歩いている時に子どもの興味がある物が目に入りそうなときの大人の対処法などを講演会、研修会のプログラムに盛り込むことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、保護者や保育者にヒアリング調査を実施したり、講演会や研修会を実施することが難しい状況にあった。今年度は、対面での実施以外にも、オンラインなどの方法を検討し、ヒアリング調査、講演会、研修会を実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインによるヒアリング調査、講演会、研修会の実施方法を検討し、どのように実施すれば実現可能であるのかを具体的に検討し、実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
保護者および保育者を対象とした対面による講演会、研修会を実施し、その効果を測定することを計画していた。しかし、新型コロナウィルス感染症の拡大により、対面による講演会、研修会の実施ができなかった。 次年度は、対面による実施のほかに、オンラインを用いた方法を検討し、実現していく予定である。未使用額は、対面による講演会、研修会の実施に必要とされる費用(交通費、教材費等)、オンラインで実施するための費用(マイク、大型モニターなどの設備等)、講演会、研修会の効果測定のための調査費用に充てる。
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