研究課題/領域番号 |
18K02761
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
平野 大輔 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90572397)
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研究分担者 |
勝二 博亮 茨城大学, 教育学部, 教授 (30302318)
後藤 純信 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30336028)
谷口 敬道 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90275785)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レット症候群 / 常同運動 / 上肢機能 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目標は、レット症候群児(者)の手の常同運動を減らす効果的で具体的な介入方法を開発することである。2023年度においては、レット症候群児(者)の手の常同運動と目的的な手の使用の関連、これらに関連する因子、皮膚損傷と関節拘縮の危険因子と予測因子を明らかにすることを目的とした。 日本レット症候群協会会員の131家族とレット症候群支援機構会員の63家族の計194家族を対象に、自記式質問紙を各団体経由で会員の家族へ郵送し、家族からの返送によって情報を収集した。 レット症候群児(者)72名、平均12歳10ヶ月(範囲1~46歳)の情報を収集することができた。横地分類では主にA1~6に36名、B1~6に30名が属していた。手の常同運動の頻度と目的的な手の使用の間には、ごくわずかな有意な関連が確認された。手の常同運動の頻度と到達、目的的な手の使用と知的発達、全ての上肢機能の間に有意な関連が確認された。手の皮膚損傷は、手をもむ/こすり合わせる常同運動、指の皮膚損傷は上肢の把握機能、肩の関節拘縮は手や物を口に入れる常同運動、肘の関節拘縮は移動機能、上肢の到達機能、手や物を口に入れる常同運動、指の関節拘縮は知的発達が危険因子であった。指の皮膚損傷は手の常同運動頻度、肘の関節拘縮は年齢と移動機能、手の関節拘縮は目的的な手の使用、指の関節拘縮は目的的な手の使用と知的発達が予測因子であった。 手の常同運動を減らす介入と目的的な手の使用を増やす介入においては、これらに対する直接的な介入と関連する因子に対する間接的な介入によって、関節拘縮や皮膚損傷の発生の予防につながると考えられる。今後、事例毎に個別の検討が求められる。また、レット症候群児(者)の皮膚損傷や関節拘縮の予防に対する介入においては、直接的な介入と、危険因子や予測因子に対する間接的な介入が求められることが示唆された。
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