研究課題/領域番号 |
18K02763
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
植田 誠治 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (90193804)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | がん教育 / 小児がん / 学校 |
研究実績の概要 |
全国のがん教育モデル校等における小児がんの子供への配慮の実態調査を行う予定で調査票を仕上げた。新型コロナウイルス禍での学校の状況を踏まえ、調査の実施は次年度に延期することとした。2021年度から中学校において、2022年度から高等学校において、がん教育が本格的に開始されることから、実際に小児がんの子供を持つ保護者への聞き取りと小児がんの専門医への聞き取り調査を再度進めた。そして小児がんの子供は治療で学校を休んだりすることも多い中で、学校へ行き友達と活動したいと考えていること、教師や友達の励ましが大きな支えになる一方で、不用意な言葉がいじめや差別にもつながることを明らかにした。 この結果とこれまで収集分析した諸外国ならびに日本における小児がんの子供を理解するための資料、パンフレット等を再度精査するとともに、家族をはじめ身近な人ががんになった際、どのような情報を子供に与えるべきかについてのグリーフケアを中心とする諸外国の資料も再検討しつつ、学校におけるがん教育を実施する際の小児がんの子供への配慮事項の試案を作成した。全国のがん教育モデル校ならびに各都道府県等の教育委員会などの協力も得てこの試案を評価改善する。 なおこれらの内容を、沖縄県、島根県などの教員研修で「学校におけるがん教育の考え方・進め方」として紹介するとともに、教員向けの資料「学校におけるがん教育の考え方-実施に向けての不安を解消するために-」としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校現場に対する調査を予定していたが、新型コロナウイルス禍の状況下で実施を延期することにした。また、他の調査についても、医療機関や医療関係者、あるいは疾病を持つ方を対象とするものであり、可能な範囲で聞き取りを行うことに留めた。
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今後の研究の推進方策 |
全国のがん教育モデル校等における小児がんの子供への配慮の実態調査を、新型コロナウイルス禍の状況を踏まえながら、本年度中に実施する予定である。また、これまでに収集分析した資料と聞き取りによって得られた内容から、学校におけるがん教育を実施する際の配慮事項に関する試案を評価改善する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査に係る旅費、人件費・謝金が、調査を延期したために次年度使用となった。また研究総括に係る物品費と人件費・謝金も次年度使用となった。
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