研究課題/領域番号 |
18K02780
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大鹿 綾 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (10610917)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 聴覚障害 / 発達障害 / 義務教育以降 / 実態と支援 |
研究実績の概要 |
研究3年目である本年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、研究の中核となる集団かつ対面での介入指導、保護者支援を行うことが難しかった。そのため、計画を修正してオンライン会議システムを用いた介入を行った。本研究の対象者は発達障害のある聴覚障害児・者のため、注意をひいたり継続させたりすること、参加者相互のコミュニケーションを深めることなどに対して、直接介入に比して困難を感じる場面があった。保護者にサポートを求めたり、研究実施者らがコミュニケーションの仲介を行うなどの工夫を行った。また、参加者の人数も大人数での実施は難しかったため、参加者を6名程度にするなども必要であると思われた。このようなオンラインでの活動についての工夫についても、今後新たな目的の一つとして整理していく予定である。 また、オンラインアンケートシステムを用いて、参加者の保護者を対象にした調査を行った。保護者が聴覚障害、及び発達障害に気付き、どのような悩みがあったのか、どのような支援を求めていたか、今度どのような支援を求めるかなどを調査した。25家族に送付し、8家族より返答があった。①保護者・対象児者両方の居場所づくり・仲間づくりのサポート、②保護者の心境や対象児者の抱える困難を多角的に捉えた寄り添う支援、③発達障害と聴覚障害の両方に精通し、卒業後も利用できる社会的支援・専門機関、④セルフアドボカシーやソーシャルスキルを高める継続的な支援などが求められていた。本研究の参加者は聴覚障害だけでなく、発達障害についても比較的早期に気付き、理解、支援を受けてきた群であると思われる。今後対象の幅を広げると共に、理解や支援を受けられていない対象に対してどのようにアプローチしていくのか、学校や医療機関等とどう連携していくのかを考えていきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大のため、当初予定していた活動を実行することが難しかった。しかし、オンラインでの活動を行ったり、インターネットを用いた実態調査を行うことで計画を修正・変更しつつ、目標達成に向けた研究活動を行うことができたと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本来は今年度で研究終了予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため計画の修正・変更をしつつ、事業期間延長申請を行い、認められた。 令和3年度も依然として感染拡大防止のため、複数名が直接集まっての活動には一定の制限があると予測される。今年度行ったオンラインでの活動について、課題と成果を整理しながら発展継続していく予定である。また、メール等を用いた個別相談も引き続き行っていく。福祉、医療現場への調査についても、感染状況によってはオンラインでのインタビュー調査に切り替えるなどしながら目標達成に向けて研究を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、計画通りの活動を行うことが難しく、次年度使用額が大きく生じた。そのため事業期間延長申請を行うことで残額分を翌年度に繰り越し、計画修正・変更を行ったうえでの研究実施費用とする。
|