研究課題/領域番号 |
18K02782
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
吉野 浩之 群馬大学, 教育学部, 教授 (60438637)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 特別支援教育 / 小児在宅医療 / 地域連携 / 実数調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、「医療的ケア児」についての都道府県内の実数の把握、学校における医療的ケアが困難な事例についての調査、並びに、医療的ケアにかかわる教育関係者および医療関係者への提言の3つの柱からなる。 現在、特に群馬県内における医療的ケアを要する子どもの実数と所在する自治体、在籍する学校についての調査を行ってきた。その調査方法は教育機関については県教育委員会の担当者との間で情報交流を行っている。さらに、未就学の子どもについては、医療機関に対するアンケートの方法をとっている。データーが集計されており、その分析方法について、教育委員会や県立小児医療センターなどと検討中である。 学校における医療的ケアが困難な事例について特別支援学校における困難事例として、生命の危機に瀕しているような重篤な病態が数年間継続しているものの、現在、特別支援学校に通学している「超重症児」の症例を検討している。実際の学校生活の状況、生命にかかわる危機の頻度と自宅と学校での差異、さらに、担任教員、養護教諭及び学校看護師の実際の困難さと事例について、聞き取りによる調査を行ってきた。特別支援学校以外の、一般の小中学校における医療的ケア児への対応では、知的障害がなく、四肢体幹の機能に問題はない、いわゆる「動く重症児」や、重度の神経難病児などについての所在の調査を現在行っている。 医療的ケアにかかわる教育関係者および医療関係者への提言については、最終年度に向けて検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画において予定していた、現状の把握については順調に行われ、すでに集計も終えている。また困難事例についても収集を行っている最中であり、その集計の方法とフィードバックについて検討している段階にきている。こうした状況から、当初の研究目的について順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の予定として、県内の医療的ケア児の実態把握に基づき、自治体との福祉連携の状況について調査を行っていく。さらに、教育の状況についても併せて把握していく予定である。 困難事例の把握については、現在わかってきた学校における困難事例について継続して調査を行っていくとともに、児童生徒、保護者の困難についても幅を広げて調査を継続していく。さらに、困難例の中では亡くなった児童生徒もおり、こうした事例について新たな視点を持って調査を進めていく予定である。 最終年度に向けた教育及び医療・福祉への提言について、引き続き検討をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額にとの間に8万円ほどの差異が生じたが、出張に関する交通費が当初より近距離であったため少なかったこと、集計につての人件費が想定より少なかったことによるものであるが、本年度の全般に使用する予定であり、ほぼ予定通りになっていくと予想する。
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